アッチェ/国立大学で水素セミナー開催/二つ目の特許取得を発表

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全国から会員ら250人が参加した「無機系材料の水素吸蔵構造に関する技術開発セミナー」の様子

全国から会員ら250人が参加した「無機系材料の水素吸蔵構造に関する技術開発セミナー」の様子

 アッチェ(本社東京都、南部景樹社長)は7月7日、国立長岡技術科学大学で「無機系材料の水素吸蔵構造に関する技術開発セミナー2018」を開催、5月11日に二つ目となる物質・用途特許を取得したことを明らかにした。セミナーには、全国から会員ら250人が参加した。
 アッチェが大学内でセミナーを開催するのは今回が初めて。「第1回長岡技術科学大学&アッチェ共同研究プロジェクト進捗報告会」と題し、今年から始めた共同研究の成果に関する報告をした。
 アッチェは今年から「長岡技術科学大学技術開発センタープロジェクト」に参画。同大学と3年に渡って「無機系材料の水素吸蔵構造に関する技術開発」を行う。
 「サンゴカルシウムに水素を化学結合(G2・第2世代)」に続く、「サンゴカルシウムに水素を物理吸着(G3)」の研究に着手した。すでに、平成29年度第78回応用物理学会秋季学術講演会で「炭酸塩における高圧水素担持後の水素放出量の評価」について発表しているという。プロジェクトでは、第4世代、第5世代の素材の開発まで計画している。
 5月11日に取得した物質・用途特許の名称は「水素担持粉末、並びに該水素担持粉末を含む食品及び肥料」。水分と接触することで、水素担持粉末1グラムあたりに0.1μリットル以上100μリットル以下の水素ガスを発生し、かつ、その水分の酸化還元電位がマイナス400ミリV以上マイナス30ミリV以下となる水素担持粉末だという。
 南部社長はセミナーの冒頭のあいさつで「水素は人助けという考え方が事業の根幹だ。皆さまの活動のおかげで、研究開発に積極的に取り組むことで特許を取得することができた。水素の可能性、アッチェの可能性に期待してほしい」と話した。
 セミナーでは、長岡技術科学大学の斎藤秀俊教授が登壇。斎藤教授は「大学と共同で開発することでより良いサプリが開発されていく。180PPMは数年後にはもっと進化させていくので自信を持ってもらいたい」と話した。
 セミナー後には、大学内の見学会が開催され、「カーボン系水素吸蔵放出評価装置」「電気炉」「ガスクロマトグラフ」「電解放射型走査型電子顕微鏡」といった開発装置について、学生が説明した。


■国立大学法人長岡技術科学大学 学部・大学院一貫の国立大学法人。学生の8割が全国の高等専門学校の出身者で占める。全体の15%が世界の留学生が在籍する。就職率はトップクラスで、企業と共同研究が盛ん。

水素の可能性について言及する南部景樹社長

水素の可能性について言及する南部景樹社長

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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