楽天/楽天経由で全商品配送/20年までに物流の一元化を実現

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「ワンデリバリー」構想を語る三木谷浩史社長

「ワンデリバリー」構想を語る三木谷浩史社長

 楽天は7月17日、出店者向けイベント「楽天EXPO」において、出店者の物流を一元化する「ONE DELIVERY(ワンデリバリー)」構想の実現に向け、取り組みを本格化することを発表した。20年までに出店者の全商品を楽天経由で配送する。楽天が商品の保管から宅配まで一気通貫で行うことで、効率的で利便性の高いサービスを実現するという。三木谷浩史社長は、「やらなければ将来が開けていかない」と物流一元化に本気で取り組む姿勢をあらわにした。

 楽天は今年1月、新春の出店者向けイベントにおいて、「ワンデリバリー」構想を発表していた。今回のイベントでは、より具体的な取り組みを発表し、出店者にも理解を求めた。
 三木谷社長は物流の一元化に取り組む背景に、宅配クライシスがあると語った。
 「ネットショッピングの爆発的な普及により、さまざまな問題が出ている。一つは『配送料が高い』『配送が非効率、面倒くさい』『なかなか届かない』などの問題だ。根本的な原因はどこにあるのかを考えると、CtoCの宅配便のインフラにBtoCを乗っけようとしたことに無理があった」(三木谷社長)と私見を述べた。
 物流に対する課題を解決するために、楽天が自ら商品の保管から宅配まで包括的に行う物流サービスを構築するという。


■配送を分かりやすく

 楽天市場の出店者は20年まで、楽天市場で販売した全商品を楽天経由で配送することになる。楽天の倉庫に商品を預けるか、自社倉庫から商品を出す場合は楽天が引き取りに行くか、楽天の倉庫に持ち込んでもらう仕組みにする。
 サービスを刷新することでユーザーは楽天市場のどの店舗で商品を購入しても、同様の物流サービスを利用できるようになる。
 「注文からお届けまでの時間を短縮する。商品を正確に届ける。倉庫を全自動に近い形で運営し、人工知能(AI)を活用しながらエンド・トゥ・エンドで効率化する」(同)と話す。
 既存の宅配サービスよりも使いやすさや受け取り方法を高める計画だ。置き配に対応したり、配送途中でも手軽に受け取り場所を変更できるようにする。
 宅配に関しては現在、東京23区や関西で運営している自社配送サービス「Rakuten EXPRES(ラクテン・エキスプレス)」を拡張することで対応する。出店者への集荷や物流拠点間の幹線輸送、一部の宅配などについては外部の物流企業と連携する見込みだ。


■物流費を今より安く

 楽天は「ワンデリバリー」構想を実現するため物流センターを拡大する。千葉・流山市と大阪・牧方市に新センターを開設する方針を明らかにした。

(続きは、「日本流通産業新聞」7月19日号で)

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記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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