東京都/行政指導が2年ぶり100件に/ネット広告監視も強化継続

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 東京都は、17年度(17年4月—18年3月)の特定商取引法や都消費生活条例に基づく行政指導の件数が100件、立入調査が16件だったと発表した。都が5月29日に開催した「第25次東京都消費生活対策審議会第1回総会」で明らかにした。行政指導件数が100件を超えたのは2年ぶり。
 行政指導件数は16年度に98件となり100件を割っていたものの、引き続き、指導強化を実施している姿勢がうかがえる。行政処分件数は11件で、前年度と横ばいで推移。訪販関連の内訳では訪問販売が4件、電話勧誘販売が1件、訪問購入が2件、業務提携誘引販売取引が1件などだった。
 立ち入り調査は、16件で前年に比べ8件減少した。都民が悪質事業者の書き込みができる「悪質事業者通報サイト」の受理件数は286件で、前年比39件だった。
 関東など5都県と合同で行った指導は19件で、最近5年間で最も多かった。ただ、同時行政処分は0件だった。
 平成30年度(18年度)は、早期に不適正な取引を発見し、より精度の高い法令適用を行うことを目的に、4月から取引指導課内に「情報管理班」を設置。迅速な端緒情報の収集や多角的な情報分析を行い、取り締りを強化する方針だ。
 特別機動調査班は、警察官OBを含む職員が悪質事業者に対する立ち入り調査や行政処分を行い、処分事業者名とその内容について消費者に情報提供を行う。都単独ではなく、国や近隣県と連携して対処することで悪質事業者を社会から徹底的に排除することを目指す。また、消費者被害の実態や新手の悪質商法に対処するため、法令を運用する現場の視点を踏まえて国への提言を行う。


■不当表示、行政指導を徹底

 不当表示に関する行政指導は、年間2万4000件のネット広告を監視した。このうち年間約400件前後の指導を実施している。
 インターネット広告監視として毎月キーワードを決めてインターネット上の広告表示を抽出し、調査を実施。5都県の広告表示等適正化推進協議会で調査対象を決め、景品表示法に抵触する恐れのある事業者に対しては行政指導などを行う。


■専門家起用し、相談対応を充実

 弁護士や建築士、美容医療専門家の消費生活相談アドバイザーを積極的に起用する。高度専門研修制度を活用するほか、民間ADR機関などとの関係団体との情報交換を引き続き行うことで、相談員の対応能力を引き上げる考えだ。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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