サニックス 18年3月期/営業利益20%増に/太陽光発電市場縮小で減収も

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 サニックスの18年3月期連結業績における売上高は、太陽光発電市場の規模縮小の影響を受けたことなどから、前期比1.9%減の499億9000万円となった。損益面では経営合理化に向けた経費削減が進んだことなどから、営業利益は同20.2%増の12億4600万円に、当期純利益は同183.6%増の11億8000万円に、それぞれなった。
 同社では18年3月期においてSE(太陽光発電)、HS(戸建て住宅向けサービス)、ES(法人事業主向けサービス)の3事業統括本部を新設。SE事業部門からHS・ESの両事業部門への大規模な人事異動を実施し、営業・施工体制の効率化を図った。その結果、SE部門は縮小したものの、HS・ESの両部門が伸長。大幅な増益につなげることができたという。
 18年3月期末時点のSE事業部門の人員数は前年同期末比200人減の500人だった。一方でHS事業部門は同150人増の530人に、SE事業部門は同20人増の80人に、それぞれなった。
 セグメント別の業績をみると、「SE事業部門」においては17年4月に電力の固定価格買い取りを定めたFIT法が改正されたのに併せて、太陽光発電関連のメンテナンス業務の拡充を図った。ただ、産業用太陽光発電の市場縮小の影響が大きく、同セグメントの売上高は前期比31.9%減の178億7000万円となった。一方で、経営合理化による経費削減や、材料原価の低減を推進。営業利益は前期比0.0%減の16億6800万円と、横ばいにとどめた。
 「HS事業部門」は、人事異動で営業体制や顧客管理体制を強化・拡充。適切なタイミングで既存顧客へのアフターフォローを行えるようになったという。その結果、「白蟻防除施工」は前期比21.7%の増収に、「床下・天井裏換気システム」は同68.7%の増収に、「基礎補修・家屋補強工事」は同56.7%の増収になった。同セグメントの売上高は同36.0%増の89億2200万円となり、営業利益は同50.3%増の14億7100万円となった。
 「ES事業部門」も人事異動により営業体制を拡充。主力商品である防錆(ぼうせい)機器取り付け施工の売り上げが前期比4.3倍に増加するなど拡販が進んだ。同セグメントの売上高は前期比39.7%増に伸長。営業利益も同89.8%増の1億7900万円となった。
 廃プラスチックを原料にして発電し電力小売りを行う「環境資源開発事業部門」は、新電力事業における売買契約先が増えたことなどから、売上高が前期比27.0%増の217億5500万円になった。ただ、2年おきに実施する苫小牧発電所の法定点検に関する修繕費が増加した結果、営業利益は同5.6%減の9億7200万円となった。
 19年3月期連結業績としては、売上高500億円、営業利益21億9000万円、経常利益21億円、当期純利益16億1000万円を見込んでいる。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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