ワタミ/「宅食事業」、4期ぶりに増収/販売員のサポート体制を強化

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む
志水邦晃社長

志水邦晃社長

 ワタミの18年3月期における宅食事業の売上高は、前期比1.3%増の380億円、営業利益は同17.9%減の19億8000万円だった。1日あたりの調理済み弁当の食数が前年比5000食増の23万3000食になるなどの効果もあって、4期ぶりの増収となった。
 18年1月に全国販売した税込490円という低価格の弁当「まごころ手鞠」の販売が好調だった。経営陣と販売員が定期的に開催するミーティングから生まれた商品で、販売員のモチベーションが高かったという。利用者の9割は新規や休眠顧客だった。
 一般家庭に加え、新たに介護事業所といった法人需要を獲得できたことも売り上げに寄与した。
 販売員「まごころスタッフ」数は、前期比114人減の7579人。新規拠点の開設数が1カ所増えた。統廃合した18カ所の拠点の統廃合を進め、期末時点の拠点数は同17カ所減の515カ所となった。
 17年11月からは、冷凍総菜の通販事業「ワタミの宅食ダイレクト」を開始。配送エリア外のユーザーへのアプローチのほか、スタッフが稼働しない土日に商品が欲しいというニーズの取り込みを図った。
 営業利益は原価が2億3000万円増加し、広告宣伝費など販促費も増えたため、営業減益となった。
 19年3月期は、会員向けに配布するカタログ「まごころ商店」を4月に刷新。冷凍食品をはじめとする商品構成やクリエイティブを見直した。刷新後は1.5倍の受注となり好評だという。
 「まごころスタッフ」の離職を防止や業務面や販促面でサポートし、定着化を図ることで、19年3月期末で前期比491人増の8070人に増やす。
 19年3月期における「宅食事業」の売上高は、一部法人向け販売が終了することから前期比0.8%減の377億円、営業利益は同20.3%増の23億1000万円を予想している。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ