【ニュースの深層】□□45〈都条例を改正し、7月の施行目指す〉/立ち入り調査権限を強化

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 東京都は消費生活条例を改正し、条例に基づく立ち入り調査の権限を強化するほか、法律が適用されない「すき間事案」への対応、美容医療への条例の適用を目指す方針を明らかにした。立ち入り調査の拒否権を認めないことで、消費者被害の防止につなげたい考えだ。また、立ち入り調査の対象となる範囲を広げる点に焦点が集まる。都ではこのほど開催した第23次東京都消費生活対策審議会で答申を行い、15年3月に開催する都議会へ条例案を提出。15年7月1日施行を目指す方向で調整に入る。

 立ち入り調査権限の強化については、現行の条例では立ち入り調査要求を2回拒否した場合に社名公表が行われている。しかし、現行制度を悪用し、1回目の要求を拒否した後、証拠書類を廃棄し、2回目の要求に応じることで社名公表を回避する業者が増加。その間に被害が拡大する恐れが指摘されていた。
 消費生活センターには、勧誘者と契約者が異なるトラブルが依然として多発。現行の条例では、契約当事者以外の聞き取り調査ができないことから、不適正な取引行為の解明ができないケースも増えているという。
 答申では、不適正な取引行為に関わっている「密接関係者」と「その他の関係事業者」に区分することが盛り込まれた。密接関係者が立ち入り調査を拒否した場合も、氏名などを公表できるようにする。
 密接関係者の定義については、消費者との契約に際し、事務的な手続き書類を作成する人や、メーカーなどの立場で勧誘方法をアドバイスする人などを想定する。例えば、アポイントを取得する企業と営業マンを抱える企業を別法人とし、グループ化している場合は一体と見なし、「密接関係者」として立ち入り調査の対象とする考えだ。答申では「定義を明確にするべき」としており、規制の対象となる線引きも焦点となりそうだ。

(続きは本紙1月22日号で)

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