〈ライブコマース〉 視聴者との交流が鍵/60分で売上2000万円も

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キャンディーの新井拓郎副社長は、動画出演者のトーク力向上が課題と話す

 ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)は1月、ライブコマースに参入した。フリマアプリ「メルカリ」を活用し、配信回数を重ねるごとに売り上げを伸ばしている。Candee(キャンディー、本社東京都、古岸和樹社長)はライブコマースアプリを運営しており、視聴者参加型企画で370万円以上を売り上げた。両社とも、コメント機能などを介した顧客との交流が売り上げに貢献した。東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX、本社東京都、河内功社長)は中国の著名人を日本に招き、中国向けに動画を配信。1時間をかけて集客し、化粧品などを2000万円売り上げた。ライブコマースで成功するにはいかに視聴者を集め、熱量を高めるかが鍵となる。

 GDOが「メルカリ」内で始めたライブコマースは、動画に社員が登場し、ゴルフクラブやキャディバッグなどを販売している。4月3日時点までに3回生配信。3月7日の第3回配信における売上高は公表していないが、前回比で23%増加したという。
 2回目以降の配信では、配信時間を30分延長した。配信後約1時間が経過してから購入者が増加したためだ。「一つの購入をきっかけに購入者が急増するケースが多い。序盤で紹介した商品がのちのち売れることもある」(販売企画部・塚原しおりマネージャー)と購買行動を振り返る。
 メルカリによると「ライブコマースは購入機会が動画配信中に限られるため、衝動的な購入が多い。限定感や特別感を演出できたときは売り上げに直結する」(Liveコンサルタント・松村晋吾氏)と指摘する。
 GDOは「いいね(動画への高評価)」の数に応じた特別商品の出品で、商品の限定感や動画のにぎわいを演出している。
 集客のために自社のSNS上で動画配信を告知した。メルカリもゴルフ関連商品の購入歴を持つアプリ利用者に動画配信を告知、プロモーションに協力したという。2〜3回目の動画閲覧者数は合計で5500人を超えた。


■顧客と商品開発

 キャンディーは、自社でライブコマースアプリ「ライブショップ」を運営している。2月中旬、配信動画で視聴者参加型の商品開発企画を実施。約1時間の動画配信で、視聴者と開発した商品約1200個を予約販売した。
 午後8時から動画を配信し、集まったファンとともにアクセサリー(税込3132円)を開発。出演者がコメント機能を通じて視聴者と会話をしながら、寄せられた要望を取り入れたり、アンケート機能を使ってデザインに関する意見を募ったりして、視聴者のニーズを取り入れた商品に仕上げた。
 同企画の動画は、女性出演者が自身のSNS上で企画内容や動画配信時刻を告知し、延べ3万7000人が視聴したという。キャンディーは「ライブショップ」で1日に7〜10本の動画を配信している。


■集客に1時間

 TOKYO MXは1月、越境ライブコマースを始めた。「KOL(ケーオーエル=キー・オピニオン・リーダー)」と呼ばれる中国のインフルエンサーを日本に招き、中国のECモール「タオバオ」で動画を生配信。国産化粧品などを販売し、約2時間で2329万円を売り上げた。
 2月23〜24日、KOLのシュエイ・ビン・ユエを起用した2度目のライブコマースを実施した。2日間で合計4時間にわたり動画を生配信。両日とも約1時間を集客の時間に充て、動画を閲覧しに来たファンと会話をしながら交流した。23日は、販売開始から約20分間で1200万円まで売り上げが伸びたという。
 TOKYO MXをシステム面で支援する中国企業、Remap(ルマップ)の張翔(ジャン・シャン)副社長は「KOLはアイドリングとして、まずファンとの交流を図る。KOLは生活を売っているといえるかもしれない。商品はその一部で、普段使っている化粧品や洋服を販売している」と話す。
 シュエイ・ビン・ユエは「ファンに対し友人のように思っている。楽しい出来事も、悲しい出来事もファンと共有している。日ごろのコミュニケーションが生み出す信頼感が購入につながる。今回の取り組みでは、中国では見られない日本メーカーの商品を販売できる。企業訪問により専門知識が得られるのも魅力」と自身の活動について語る。


(続きは、「日本流通産業新聞」4月5・12日合併号で)

3月24日、KOLのシュエイ・ビン・ユエがTOKYO MXから中国向けに動画を生配信し、化粧品を販売した

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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