東京電力/特商法違反でトラブル相次ぐ/契約書面の不交付が7400件

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 東京電力ホールディングス傘下で、電力やガスなどを訪問販売する、東京電力エナジーパートナー(本社東京都、川崎敏寛社長)は2月6日、電気やガスの訪問販売の際に、特定商取引法などで定められた法定書面を交付していなかったと発表した。書面不交付の契約数は関東と関西において約7400件に上る。東京電力では、数日以内に不適切な営業活動があったことを消費者庁に報告する考えだ。
 電力やガスを販売するために訪問した顧客から「契約した覚えがない」との申し出があり問題が発覚し、社内調査を実施。その結果、電気やガスの契約の際に、特商法や電気事業法、ガス事業法といった関係法令で定められている契約締結に必要な書面を交付していなかったことが分かったという。社内調査では、申込書面をその場で渡さず、後日書類を送付していたり、電話による営業では契約書面を交付していなかったケースもあったという。
 東京電力エナジーパートナーは、関東で正社員120人、業務委託契約が50人、関西では業務委託契約する40人体制で営業を展開。電話や訪問販売を中心に、電力やガスに加え、水回りのトラブルなどを解決する「生活かけつけサービス」「住宅設備・家電修理サービス」、IoT関連商品を販売しているという。
 ここ数年は、電力やガスの自由化で市場の競争環境が激化。コンプライアンスを含めた営業マニュアルには、書面交付のルールに関して記載はあるものの、業務委託契約も含めて、社内で徹底されていなかったことが今回の事態につながった。
 東京電力では、顧客に対し文書や訪問、電話などでお詫びする方針。2月5日付で、経済産業省の「電力・ガス等取引監視委員会」の報告聴取に応じ、現状を報告したという。
 社内では、営業社員に対する研修を強化し、再発防止に取り組む考えだ。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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