三越伊勢丹、宅配事業から撤退/オイシックスと合弁で、ECへ転換

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

 首都圏を中心に食品宅配事業「エムアイデリ」を展開する三越伊勢丹フードサービス(本社東京都)は18年3月6日付で、宅配事業から撤退することが分かった。撤退後は、三越伊勢丹ホールディングス(HD)が主体となり、オイシックスドット大地との合弁会社によるECに切り替え、全国展開を目指す。
 三越伊勢丹フードサービスは17年11月、宅配会員に「食品宅配サービス『エムアイデリ』終了のお知らせ」を送付した。その中で、サービス停止の理由について「昨今の事業競争環境の激化、事業構造の問題により大変厳しい収益環境が続いている」と説明し、「今後も改善が難しいと判断した」としている。
 三越伊勢丹HDは16年9月に、オイシックス(現オイシックスドット大地)と、食品宅配を行う新会社を設立すると発表した。プロジェクトチームを発足し17年秋の設立を目指していたが、延期されていた。
 三越伊勢丹HDが17年11月7日に発表した20年度までの中期経営計画には、EC強化の事業戦略を明記。食品ECが計画に盛り込まれており、オイシックスドット大地との合弁・新会社が担うものとみられる。
 「エムアイデリ」は、11年に大地を守る会と展開してきた、「三越くらしのご用達便」の事業を拡大する形でサービスを開始。近年では、個人外商による顧客獲得が効果を発揮。宅配営業部の社員が日本橋店の外商サロンで月1回、宅配サービスを案内してきた。個人外商からの積極的な紹介を得られたものの、コスト構造に課題を抱えており、三越伊勢丹フードサービスは6期連続の赤字を計上していた。
 会員向けの説明では、18年春をめどに「ウェブ定期宅配」サービスを展開する方針だとしている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ