【2016年度 食品宅配売上高ランキング】21社合計売上高2512億円/生協、ECとの競争が業績に影響

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

 本紙が実施した食品宅配企業の売上高調査によると、16年度の21社合計売上高は2512億9600万円だった。前年同期調査と比較可能な13社で算出した実質増減率は2.8%減だった。生協やECとの競争激化に伴い、減収企業が目立つ一方で、シニアライフクリエイトやシルバーライフといった高齢者向け宅配事業を手掛ける企業が売り上げを伸ばしている。
 ランキングトップは、ヨシケイ開発(本社静岡県)で、9年連続で首位をキープ。働く母親向けのメニュー「ラビュ」が順調に推移している。
 2位のワタミは、新規顧客獲得が苦戦し3期連続の減収だった。
 有機・低農薬野菜を宅配する企業では、4位のらでぃっしゅぼーやが減収に転じた。6位の大地を守る会は、新規会員が伸び悩んだことで減収。オイシックスとの経営統合を機に、ウェブマーケティングを強化する。
 高齢者向け宅配では、7位のシニアライフクリエイト、シルバーライフが増収を維持。シルバーライフは10月に上場を予定するなど、業容の拡大を狙う。
 百貨店系では、阪急キッチンエールと三越伊勢丹フードサービスの売り上げが落ち込んだ。高島屋では、外商による顧客開拓策が奏功し、2桁増収を達成している。外商顧客をいかに取り込めるかで業績に差が出始めているようだ。
 業界再編も進む。コメ卸の神明(本社兵庫県)は5月、10位の夕食食材キットを販売するショクブンと資本業務提携すると発表。また、東海地区を中心に食品スーパーを展開する、タカラ・エムシー(本社静岡県)は8月に、3位のディナーサービス・コーポレーションを買収している。大手主要企業ではヨシケイグループ、シュガーレディ本社以外は大手資本の傘下に入っている。
 生協やEC、ネットスーパーとの競争が激しさを増す中で、宅配企業の対面販売の強みと、ウェブマーケティングを生かせるのかが今後の成長を左右しそうだ。

(続きは、「日本流通産業新聞」10月12日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ