水宅配企業の17年3月期、同4月期の第1四半期業績が出そろった(=表参照)。6社中5社が増収となった。プレミアウォーターホールディングス(旧社名ウォーターダイレクト)が2桁増収となったほか、ナックをはじめ4社は微増ながらも増収着地となった。利益面の改善が進んでいる企業もある。各社の動向をみると、「水素関連商品の販売」や、宅配便でボトルを送付する「ワンウェイ方式の採用」が増収の鍵となっているようだ。
中京医薬品、トーエル、ナックは「ワンウェイ方式」による販売が伸びているという。中京医薬品は、増収の要因として「営業エリアが拡大した」(IR)ことをあげている。13年4月に導入したワンウェイ方式が、自社配送網ではカバーしきれないエリアの顧客獲得に役立っているようだ。
ツーウェイ方式の水宅配事業を展開してきたナックは、15年2月にワンウェイ方式の水宅配サービス「クリクラミオ」を発売した。「あくまでフェーストゥフェースで顧客との関係性を構築できるリターナブル方式の水宅配事業に重きをおいていくのが当社の経営方針」(IR)としながらも、「低消費、オートロック、ハイセキュリティーマンションなど、ツーウェイ水宅配事業が手放してきた顧客の受け皿として一定の役割を果たしている」(同)としている。
加えて、「『クリクラミオ』利用者は、ツーウェイ水宅配の潜在顧客だと考えている」(同)ともしている。16年6月末時点の「クリクラミオ」の利用者数は8257軒だという。
(続きは、「日本流通産業新聞」10月6日号で)
水宅配業界/6社中5社は増収に/鍵は「水素」「ワンウェイ方式」
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