【化粧品市場】ライブコマースで新たな商機/1時間配信で8億円の事例も(2026年9月10日号)

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「燕チャンネル」ライブコマースの様子

「燕チャンネル」ライブコマースの様子

 ライブコマース・動画コマースが、化粧品ブランドに新たな商機をもたらしている。ショート動画やライブ配信を視聴しながら商品を購入できる「TikTok Shop」では、化粧品カテゴリーの商品の購入比率が16.3%に上っており、最大の商品ジャンルとなっている。「Qoo10」のライブショッピングでは、1時間の配信で、当日中に売り上げが8億円となった事例もあるという。アイスタイルでは、自社のライブコンテンツの累計視聴回数400万回を突破しており、ユーザーのロイヤルティーの向上にもつながっているそうだ。化粧品とめっぽう相性の良い動画コマース・ライブコマースが、化粧品販売の形を大きく変えつつある。

■最大カテゴリーは化粧品

 ECデータ分析ツールサービスを提供するNint(ニント、本社東京都)では、SNSコマース分析ツール「Nint EC Social」で取得した約1年分(25年7月~26年6月)の推計データをもとに、「TikTok Shop 日本市場レポート」を公開している。25年6月末にスタートした「TikTok Shop(以下TTS)」の年間の推計流通額は約536億円。そのうち最大の商品カテゴリーは化粧品(TTS上の分類「美容・パーソナルケア」から、家電および衛生・医薬寄りの品目を除いて算出)で、16.3%を占めたという。NintのECモール分析ツール「Nint ECommerce」の推計によると、国内の3大ECモールにおける、化粧品の売り上げ比率の平均値は、5.8%。TTSにおける化粧品のシェアは、約2.8倍も高いことが分かった。
 TTSにおける化粧品マーケットについて、Nintの片桐拓洋氏は、「結論として、当面は伸長が続くとみている」と言う。TTSの拡大と歩調を合わせ、化粧品カテゴリーも成長を続けているという。


■5000円以上が5割

 「TTSにおける、化粧品の推計平均単価は、25年7月の時点で約2500円だったが、26年6月には約3550円となり約4割上昇した。単価の高い商品が動く段階にシフトしている」(片桐氏)と話す。「26年4~6月の化粧品の推計売り上げを価格帯別に見ると、5000円以上の商品が約48%。1万円以上が約21%を占めている。化粧品については、低単価の衝動買いの場ではなく、高価格帯商品が売り上げの中心になっている」(同)としている。
 化粧品の推計売り上げのうち、約79%が日本国内に所在する事業者だという。「TTSの日本の全体では、同期間で国内事業者は約59%。化粧品は他カテゴリーに比べて国内勢の比重が高いと言える」(同)と話す。


■参入チャンスも

 化粧品の推計売上高に占める上位10店舗の売り上げシェアは、25年7月には約70%だったが、26年6月には約49%まで低下したという。「売り手が分散している。参入余地が残っていることを示す指標とみている」(同)と分析している。TTSにはまだまだ商機が眠っていそうだ。


■月間売上5億円

 Sホールディングス(本社東京都)が運営する、TTSの店舗「燕(えん)チャンネル」は、25年時点で月間売り上げが2億円を突破。現在は月間約5億円規模まで成長している。美容・スキンケアカテゴリーなどの商品の成長が、売り上げ拡大をけん引しているそうだ。
 「燕チャンネル」は数々のブランドの販売実績を発表している。26年7月16~22日にTikTokで開催されたセールイベント「トクトクセール」では、韓国発スキンケアブランド「ディッパー・アンド・ディッパー」の「メラチノール クラウドクリーム」の累計売り上げが2400万円を突破。同セールで韓国発ダーマコスメブランド「ザ・セルラボ」のアイクリームは、累計売り上げが2100万円になった。8月24日には、エステティックブランド「TBC」の洗顔料「ディープクリアウォッシュ」をライブ販売し、約10分で1000点以上が完売した。


■成果を出すには

 同社によるとTTSで成果を出すためには(1)商品のスペックだけではなく、'誰のどんな悩みを解決するのか'を伝える(2)一方的な広告ではなく、'共感'と'信頼'を生み出す(3)単発のヒットではなく、継続的なブランドづくりを行う─が重要だという。
 「TTSを単なる販売チャネルとして捉えるのではなく、ブランドの認知から購買、ファンづくりまでを実現する新しいブランドコミュニケーションの場として活用することが、化粧品ブランドにとって重要になるだろう」(広報担当)と話す。


■1時間で8億円

 eBay Japan(本社東京都)がこのほど開催した、ECモール「Qoo10」出店者向けイベント「Qoo10 Seller Conference 2026」では、ライブショッピングの成功事例が共有された。

(続きは、「日本流通産業新聞」 9月10日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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