三井不動産(三井不)、帝国ホテル、JR東海など物販・ECを主としない事業者が参入したECが好調に売り上げを伸ばしている。三井不グループで食品EC「mitaseru(ミタセル)」を展開するmitaseru JAPANは、26年3月期の売上高において前期比2倍の急成長を続けている。佐々木悠取締役は「飲食店を誘致する際、グループの看板が生きた」と話す。帝国ホテルが運営する全国の逸品を届けるECサイト「ANoTHER IMPERIAL HOTEL(アナザーインペリアルホテル)」や、東海旅客鉄道(JR東海)が運営する「いいもの探訪」など、グループ力を生かしながら独自の強みも磨いて成長する、EC事業の戦略を聞いた。
mitaseru JAPAN(本社東京都、松本大輝社長)は、グルメ通販サービス「mitaseru」の'顔'となるような、魅力的な飲食店舗のラインアップ構築において、三井不動産グループのコネクションや信頼感を生かしたという。
三井不動産が展開する商業施設「東京ミッドタウン」や「コレド室町」に店舗を構えている飲食店のほか、商業施設に出店していない日本橋エリアの老舗の名店も、三井不動産の「日本橋街づくり推進部」のコネクションを生かして誘致することができた。さらに全国の支店メンバーの協力も得て、東北で愛される牛タンの名店なども誘致に成功したという。
「mitaseru」はもともと、三井不動産の社内起業制度によって開始したサービス。
「不動産会社の社員が突然、関係性がない飲食店にサービスを提案しても、参加してもらうのは難しかっただろう。先輩たちが築いてきた信頼関係があったからこそ、名店と一緒にサービスを始めることができた」(佐々木悠取締役)と話す。
■集客やCXは独自に磨く
「mitaseru」の開始当初は、三井不動産のオフィスビルやホテル、マンションにQRコード付きのチラシを配ったりDMを送ったりして、グループのシナジーを最大に生かして集客した。さらに、メタ広告、ヤフー広告、グーグル広告を独自に運用し、現在は北海道から沖縄まで全国の顧客に購入されているという。利用者の年齢層が50~60代と比較的高いことから、特にヤフー広告やメタ広告との相性が良い。
「顧客を飽きさせない」を大切にしており、季節を感じられる新商品を常に開発・導入し、広告で押し出している。広告のクリエーティブはパートナー企業と試行錯誤して制作しているという。
「自社から定期的に発信するプレスリリースの反響も良い」(同)という。
昨年には定期便サービス「名店ごちそう便」を刷新し、CXを改善したほか、ポイント制度を導入したことも奏功し、今年に入って定期便の利用が急拡大している。
(続きは、「日本流通産業新聞」 9月3日号で)
【不動産、ホテル、交通大手がEC加速】三井不の食品ECは売上2倍/グループの資産生かし独自の強み磨く(2026年9月3日号)
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