【拡大するオンライン診療市場】 楽天連携サービス参入/大手経済圏が触手、競争激化は必至(2023年10月5日号)

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「med.」本格サービス開始の発表会を開催

「med.」本格サービス開始の発表会を開催

 アイメッド(本社東京都、田中良宗社長)は9月25日、楽天グループ(楽天)やSBC湘南美容クリニックと協業したオンライン診療サービス「med. powered by Rakuten(メッド・パワードバイ・ラクテン、以下med.)」の本格提供を開始した。すでにNTTドコモやLINEヤフー傘下の企業がオンライン診療サービスを提供している。楽天と連携したサービスが本格参入したことで、顧客獲得競争は激化しそうだ。コロナ禍から段階的に規制が解除されてきたオンライン診療サービスは、有力プレイヤーが出そろうことで、ユーザーへの認知が拡大し、急速に普及しそうだ。

 アイメッドは今年5月から「med.」のベータ版を提供してきた。「med.」のユーザーは、オンライン上で提携医療機関の自由診療を受診し、医薬品の処方を受けることができる。
 顧客ターゲットは、美容や男性・女性の特有の悩みを持ちながら対面診療を躊躇する人や通院負担が大きい人、長期服用薬の継続的な購入を行っている人だという。
 アイメッドの田中社長は、「さまざまな人がお肌のトラブルや薄毛、生理痛、EDなど悩みを抱えている。自分で悩みを抱え込むのではなく、専門家である医師に簡単に相談でき、解決できることができたらどうだろうか。スマホで診療ができ、薬が届くという分かりやすく使いやすくすることで、オンライン診療のハードルを下げることにチャレンジしていく」と話す。
 今回の本格提供に当たり、取扱薬品の品ぞろえを拡充した。今までは、美容やスキンケア、低用量ピル、ED治療薬などを提供してきたが、新たにAGA(男性ホルモン型脱毛症)向けの医薬品の取り扱いを開始した。
 さらに10月1日から、オンライン診療の時間帯を従来の午前10時から午後7時までを、午前10時から午後11時までに延長した。
 9月30日からは、タレントのデヴィ夫人を起用したテレビCMの放送を開始し、利用者獲得を加速する。


■楽天ユーザーの利用促進

 楽天との連携も強化している。
 楽天グループ 副社長執行役員 CMO 河野奈保氏は、「当社とアイメッドは昨年9月にオンライン診療サービスの領域において協業に合意した。今年5月のベータ版提供から、楽天IDとの連携を開始している。楽天もアイメッドとともにサービスを盛り上げていく」と語った。
 9月7日から、決済方法に「楽天ペイ(オンライン決済)」を追加している。楽天IDに登録しているクレジットカード情報を利用して決済が行えるだけでなく、決済時に「楽天ポイント」を獲得・利用できるようにした。
 楽天グループとの連携を強化したことで、楽天経済圏の1サービスとして、楽天ユーザーの利用促進が期待できる。


■特化型の先行企業と衝突

 楽天が支援するサービスが参入してきたことで、オンライン診療や、医薬品販売サービスの競争は過熱しそうだ。

(続きは、「日本流通産業新聞」10月5日号で)

アイメッド 田中良宗社長がサービスの強みを語る

アイメッド 田中良宗社長がサービスの強みを語る

デヴィ夫人を起用したテレビCMを放送

デヴィ夫人を起用したテレビCMを放送

楽天グループ 副社長執行役員 CMO 河野奈保氏

楽天グループ 副社長執行役員 CMO 河野奈保氏

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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