消費者庁/最終画面の表示違反で初/精力サプリECを6カ月の業務停止に(2023年7月6日号)

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ヘアケア用品「ブラックデュアルトリートメント」画面

ヘアケア用品「ブラックデュアルトリートメント」画面

 消費者庁は6月28日、精力サプリなどを展開するLIT(エルアイティー、本社東京都、中村智紀社長)に対して、特定商取引法に基づく、6カ月間の一部業務停止命令を行った。消費者庁によると、LITは、ECサイトの最終確認画面で、定期購入契約でありながら、定期購入の条件や、2回目以降の販売価格などについて、著しく小さい文字で表示していたという。定期契約が解約できないかのように見せる表示も行っていたとしている。
 消費者庁が、ECサイトの最終確認画面の表示義務違反で特商法の行政処分を行うのは、22年6月1日の改正法の施行以来、初めてだ。
 消費者庁によると、LITは、少なくとも23年3月10日~4月12日までの間、ヘアケア用品「ブラックデュアルトリートメント」や、精力サプリ「精の命」などのECサイトの最終確認画面で、定期購入契約にもかかわらず、必要な事項を適切に表示していなかったという。
 適切に表示していなかったのは、(1)定期購入契約であること(2)2回目以降の商品の販売価格(3)分量(4)2回目以降の商品代金の支払時期と商品の引き渡し時期─だ。これらについて、1回目の商品代金の文字に比べて、著しく小さな文字で表示していたという。画面を何度もスクロールしなければ見ることができない位置に、これらを表示していたともしている。
 消費者庁はLITに対して、解除事項に関する不実告知も認定している。
 LITは、実際は契約の解約が可能であるにもかかわらず、解約専用のフォームで解除を試みた消費者に対して、「大変恐れ入りますが、商品がすでに発送準備中となっているため、キャンセルをお受けできかねます」などと、解約ができないかのように表示していたという。
 消費者庁はLITの中村智紀社長個人に対しても、通信販売の新規広告の出稿や、売買契約の申し込み受け付けなどを禁止する業務禁止命令を行った。
 LITは本紙の取材に対して、「メディアの取材は全て断っている」などとしている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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