ワタミ 23年3月期/宅食事業が過去最高に/24年3月期はコロナ反動を予想(2023年5月18日号)

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 ワタミの23年3月期における「宅食事業」の売上高は、前期比31.1%増の437億6000万円で過去最高となった。営業利益は同12.8%増の57億2000万円だった。22年5月13日に公表した通期業績予想の436億円を上回った。
 当期は「マーケットインへの転換」を事業方針に掲げて商品を拡充した。ミールキットの「パクモグ」「あっ!とごはん」、シニア向けの少量の弁当「まごころ小箱」、低糖質のメニュー「ロカボリック」を発売した。
 コロナ禍の外出自粛による宅配需要と健康意識の高まりに対応するため、在宅勤務者などを対象にした冷凍総菜の拡販を強化。教育機関との事業協定締結など子育て層を対象にした営業を強化したほか、テレビ通販による広範囲にわたる購買層の宅食需要を取り込んだ。調理済み弁当の累計配食数は、前年同期比8万9000食増の6236万8000万食だった。
 販売員「まごころスタッフ」は前期比622人減の7236人、期末時点の拠点数は6拠点減の525だった。
 高齢者見守り事業「みまもりサービス」の提供を開始し、1000件の申し込みがあった。早期の収益化を目指す。
 通販事業「宅食ダイレクト」で販売する冷凍弁当を強化するため、今夏に兵庫県尼崎市内に冷凍総菜工場を稼働させる。新工場は、ワタミの外食事業で使用していたものだが、コロナ禍で転貸しており、再取得することで稼働させる。「ミールキット」については7月をめどに、メニューを増やすことでサービス体制の見直しを図る。
 24年3月期は、前期のコロナ特需からの反動を見込み、通期業績を前期比6.4%減の410億円、営業利益は同38.9%減の35億円と減収減益を計画している。コロナ特需を除いた実力値として前期比3億5000万円の増益となるという。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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