ヤクルト本社 23年3月期/「ヤクルト1000」は計画上回る/ネット注文会員が大幅増に(2023年5月18日号)

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む
ヒット商品の機能性表示食品「ヤクルト1000」

ヒット商品の機能性表示食品「ヤクルト1000」

 ヤクルト本社の23年3月期で、ヤクルトレディ(YL)が扱う宅配専用商品「ヤクルト400類」の1日あたりの販売本数は、前期比10.4%減の237万9000本だった。
 ヒット商品の機能性表示食品「ヤクルト1000」は前期比77.7%増の203万8000本で、22年11月に上方修正した年間目標本数の200万本を超えた。国内の乳製品飲料が前期に比べ358億円増加したことが寄与し、連結業績は増収増益となった。
 宅配チャネルは、乳製品乳酸菌飲料「ヤクルト1000」「ヤクルト400」シリーズを中心に、エビデンスを活用し、既存客への継続飲用を促し、新規客開拓に努めた。また、宅配組織の強化を図るため、ヤクルトレディ(YL)が働きやすい環境の整備を進めるとともに、インターネットを活用した採用活動を実施した。その結果、ヤクルトレディ(YL)は前期より29人増の3万2709人、ヤクルトビューティ(YB)は522人減の3578人だった。
 また、「ヤクルト1000」「Y1000」の供給状況ついては、今年3・4月に増産したものの、ネット注文「ヤクルト届けてネット」からの新規注文は停止を継続しているという。24年1―3月期(純第4四半期)には、富士小山ヤクルト工場に2~3ラインでの増産を予定をしている。ネット受注の再開のめどはついていないという。
 「ヤクルト届けてネット」の新規会員数は前期比7万件増の18万件、稼働会員数(クレジットカード決済)は同8万件増の24万件、売り上げ本数は同9万本増の33万本、末端売上高は同80億円増の150億円だった。
 化粧品は、高機能基礎化粧品「パラビオ」シリーズのブランド活性化策を実施し、継続愛用の促進に努めた。スキンケアシリーズ「ラクトデュウ」について、22年11月に「ラクトデュウ S.E.ローション2」を発売したほか、「ラクトデュウ S.E.ミルク」をリニューアルし、歌手の森高千里を起用したテレビCMを放送した。今年1月には薬用保湿美容液「ベルフェ モイスチュア エッセンス」をリニューアルした。その結果、前期比0.4%増の65億8000万円だった。
 24年3月期の連結業績は、売上高と営業利益ともに3期連続で過去最高の業績の更新を見込む。「ヤクルト1000」「Y1000」は1日あたり345万本の販売目標を設定した。「ヤクルト1000」は250万本、「Y1000」は90万本に設定した。
 YL組織発足60周年となる24年3月期は、YL数の増やしたい考えだ。決算説明会で斎藤憲明宅配営業部長はYLの人材確保について「募集については引き続き厳しい状況だが、離職者は減ってきている。稼働時間を柔軟にするなど、働く間口を広げていきながら人材を確保していきたい」と話した。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ