消費者庁 〈ステマ検討会〉/河野大臣、はじめしゃちょーが参加/ステマ広告の規制基準など論点整理(2022年11月17日号)

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検討会の様子

検討会の様子

 消費者庁は11月11日、「ステルスマーケティングに関する検討会(以下、ステマ検討会)」の第6回会合を開催した。同会合は2部構成で、第1部では事務局による論点整理を行い、第2部では「事業者からのヒアリング、意見交換」を実施した。第2部には河野太郎大臣や、動画クリエーターのはじめしゃちょー、はじめしゃちょーが所属する事務所UUUM(ウーム)が参加した。
 第1部では、前回の検討会での論点の整理を行った。「指定告示と運用基準の方向性」の案についても、話し合った。
 前回会合では、”ステマ広告”を、景品表示法の告示による禁止の対象の一つとして加える方向性を発表した。さらに、案の中では、「事業者の表示と認められる実態がある場合には、事業者が第三者をして行わせる表示も含まれる」とある。具体的には、SNSを使った投稿、ECサイトのレビュー投稿、アフィリエイトプログラムを用いた広告表示も、「事業者の表示」だとされている。
 景品表示法を含めた通販広告に詳しい薬事法広告研究所の稲留万希子代表は、ステマ広告が実際に処分されることについて、「可能性はあるものの、実質取り締まりが可能かは疑わしい」と指摘する。
 「今回出された指定告示案におけるステマの定義として、『一般消費者が当該事業者の当該表示であることを判別することが困難である』とあるように、外側から見ても実態は分からない。どのように『不当』と判断するのか、現状不透明だ」と言う。
 「意見でも出ている通り、実効性を高める必要がある。規制対象や条文は、包括的な表現にすべきなのではないかと考えている」としている。
 「『指定告示』という形で発令するのであれば、ステマに問題があるという事実はしっかりと明文化されるが、それでもイタチごっこになることは避けられないのではないか」と言う。「一方で、恐らく大手ECプラットフォームは、『指定告示』やガイドラインに沿って対策を講じてくる可能性もある。良い動きのきっかけになるのではないかと期待している」と話している。
 第2部では、クリエーターからの意見のヒアリングを行った。
 第2部の冒頭で、河野大臣は「ソーシャルメディアを使った広告が非常に伸びている。その中で、広告なのに広告であることを隠す、消費者の商品選択に影響を及ぼす『ステルスマーケティング』が問題になっているのは事実」と指摘。「デジタル分野における広告の信用が失墜し、消費者がデジタル化に関する恩恵を受けられなくなるのは由々しき問題だ」と語った。
 はじめしゃちょーはステマについて、「10年ほど活動を行う中で、再生数がある程度安定してきてからは、企業とのタイアップの仕事が増えた。UUUMと相談しながら、ステマにならないように気を付けている」と話した。
 第2部は冒頭以外は運営要領に基づき非公開で実施された。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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