QVCジャパン/3DCG技術を活用/アパレルブランドの実証実験(2022年10月6日号)

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 テレビショッピング大手のQVCジャパン(本社千葉県、グレゴニー・ベルトーニCEO)は10月1日から、3DCG(コンピューターグラフィックスを活用した3D技術)によるファッションアパレルのデジタルプロモーションに関する実証実験を開始した。アパレルDX(デジタルトランスフォーメーション)ソリューションを提供するFMBと共同で、10月31日まで実施する。
 実証実験では、実際のサンプル制作を行うことなく、パターン、スワッチデータ、仕様書データなどから、コンピューターと3DCG技術だけで、限りなく本物に近い商品のモデリング(静止画や動画に使える素材)を制作する。
 実際の「人」による着用ではなく、過去の販売データなどから割り出した平均的な顧客の「アバター」を複数体作成し、着用イメージが分かる3DCG動画を制作する。
 さらに、顧客がウェブサイト上で、コーディネートの組み合わせやカラーを自在に選ぶことで、自身で操作して全身の試着イメージを全方位から確認できるツールである「360度 3Dビューア」も提供する。
 この取り組みを通して、「サイズが心配」「コーディネートに迷う」という通販での買い物における顧客の不安を取り除き、あたかも自宅でリアルにショッピングをしているかのような体験を顧客に提供することを目指す。
 ファッションアパレル業界では、3DCG技術をはじめとする最先端テクノロジーを活用した「ファッションテック」の取り組みが生産現場で拡大しつつあり、SDGs(持続可能な開発目標)の観点からも期待されている。
 QVCジャパンは本技術の進歩を捉え、顧客が自宅で商品を試着しているかのようなリアルに近い体験をウェブ上で提供することと、商品を実際に試着するための輸送・返品の手間をなくすことによるCO2削減を目的に、テクノロジーの検討を重ねてきた。
 今般、ファッションアパレルのDXをリードしているFMBと協業。QVCで取り扱うアパレルブランドの賛同により、3DCGの最先端テクノロジーを活用したデジタルプロモーションの実証実験に取り組むことにした。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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