〈訪販・NB各社〉 メルカリ転売増加中/抜本的な対策なく、続くいたちごっこ(2022年7月28日号)

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19年4月以降、メルカリには多数のNBの製品が並ぶようになった

 化粧品訪販やネットワークビジネス(NB)を展開する企業が、フリマサイトへの転売問題に悩まされている。一部の販売員や会員が、化粧品や健康食品などの製品を、メルカリなどのフリマサイトに出品するケースが増えているのだ。フリマサイトでは、販売員や会員から購入するよりも安く商品を購入できることが多く、まっとうな販売員や会員の販売活動の妨げになっている。販売員からのクレーム対応に追われている企業も多いようだ。各社は、販売員や会員に対して転売禁止の注意喚起を行ったり、フリマサイトに対して出品停止の依頼をしたりしているが、抜本的な解決にはつながっていないようだ。出品されている製品から、転売した販売員を突き止めようとする企業もあるが、明確な証拠を入手しづらく、いたちごっこになってしまいがちだという。あるNB企業からは、「転売対策としては、買い込みをさせないようにすることが大切。若い会員の獲得を狙うためにも、時代にあった報酬プランを導入することが必要だろう」といった声も聞かれた。

■19年3月に規約変更

 化粧品訪販やNBを展開する各社に取材したところ、販売員や会員による転売は近年増加傾向にあることが分かった。転売が増える背景には、「メルカリが登場して転売のハードルが下がった」(NB企業)ことがあるようだ。
 メルカリでは、19年3月に、商品の出品に関する規約を改定した。19年3月以前は、「MLM(マルチレベルマーケティング)の商品」を禁止出品物としていたが、19年4月以降は、規約を、「MLM、ネットワークビジネス、マルチ商法などの連鎖販売取引への勧誘を禁止する」という内容へと変更。勧誘さえしなければ、MLM・NBの商品を出品することは可能となった。
 実際に、19年2月ごろまでは、メルカリ上で、NB企業や化粧品訪販企業の製品を目にすることは少なかった。
 現在では、メルカリ上で、「アムウェイ」や「ニュースキン」などといったワードを検索すると、購入済みの商品も含め、無数の製品がヒットする状況だ。出品された製品の中には、使いかけの化粧品や、封を切ったサプリメントもある。同じ出品者が、ほとんど同じ写真・文言で出品しているケースもあり、在庫を多数抱えていることが見受けられる。
 メルカリは6月30日、さらなる規約の改定を実施。これまでは、「購入する意思のない注文、転売等の営利を目的とした商品の購入等、いたずら目的と見受けられる注文を行うことはできない」としていたが、この規定から、「転売等の営利目的とした商品の購入」を削除した。
 規約の改定について、メルカリでは、「外部有識者で構成されるマーケットプレイスのあり方に関する有識者会議での議論を通じて策定した『マーケットプレイスの基本原則』の理念・方針に基づき、削除した」(広報)としている。「多様な価値観を持った人たちが自由に取引できるマーケットプレイスを作ること」の実現に向けた規約の改定だという。
 メルカリ自体は、転売に対して、より寛容な姿勢をとるようになったとみられる。


■「ブレイクアウェイ」の罠

 販売員や会員が製品を転売する最も大きな理由は、「製品が余ってしまうから」だと考えられる。「ブレイクアウェイ」方式の報酬プランを採用している企業では、キャンペーン期間中に商品を購入すると、ボーナスポイントが溜まりやすくなる仕組みにしている企業が多い。そのため、販売員や会員が在庫を抱え込みやすいのだという。
 特に、タイトルランクの維持がかかったリーダークラスの会員では、自分の組織のメンバーに、キャンペーン期間中の商品購入を促すことも多い。結果的に、使いきれない製品が、会員の手に余ってしまうというケースも少なくないのだという。

(続きは、「日本流通産業新聞」7月28日号で)

メルカリのロゴ

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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