【景表法21年度執行状況】 衛生系商材の処分目立つ/措置命令件数は前年並み(2022年5月19日号)

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 消費者庁がこのほど公表した、今年3月まで(21年度)の国及び都道府県などによる景品表示法に基づく法的措置件数の推移及び措置事件の概要によると、国による景表法の処分件数は41件と例年並みだった。都道府県別の処分件数は4件で、減少傾向にある。措置命令の内訳は、新型コロナ関連で需要が高まっている、除菌や衛生をうたう商品に対する処分が目立った。コロナに関連しやすい商品を扱う事業者は特に、表記に厳重な推敲が必要になりそうだ。

 21年度(21年4月~22年3月)の「国による措置命令」は前期比8件増の41件、「都道府県による措置命令」は同4件減の4件だった。「課徴金納付命令」は前期と同じ15件だった。
 「国による措置命令」の件数は例年並み。措置命令件数が激減した前年度(33件)と比べると増えているが、過去5年で比較すると平均的な件数といえる。
 4件だった「都道府県による措置命令」は、措置命令件数が多かった年度(13年度には64件)と比較すると、近年は著しく減少傾向にあるといえそうだ。


■コロナ関連の措置命令増加

 21年度に措置命令を受けた商品の内訳をみると、コロナで需要が高まった商品に対する処分が目立った。足元では、大幸薬品の衛生管理製品「クレベリン」6商品が対象となった。対象の一部商品について、地裁は大幸薬品が提出したエビデンスを認めたが、高裁はこれを認めず、大幸薬品は最終的に、空間に浮遊するウイルスや菌の除去に効果があるとしたパッケージなどの表示が、景品表示法違反だったと認めた。
 このほか、2月3日にはイトーヨーカ堂(本社東京都)と、通販向け雑貨などを販売する大作商事(本社東京都)が取り扱う、首にかけるパーソナル空気清浄機が、表示の優良誤認で措置命令を受けた。消費者庁は、商品が発するマイナスイオンの作用で、あたかもウイルスなどを除去する効果が得られるように示していたと指摘した。
 21年7月には、マクセルの除菌消臭器を対象に優良誤認で措置命令を発出。マクセルは「【新型コロナウイルス不活化効果を確認】20畳までの空間を快適空間に オゾンでウイルス除去を徹底サポート」などと表示していた。表示の裏付けとなる資料を提出したものの、消費者庁は合理的な根拠と認めなかった。空間除菌や衛星を標ぼうする商品が措置命令の対象となった事例は、この他にも散見された。
 景表法を含めた通販広告に詳しい薬事法広告研究所の稲留万希子代表は、

(続きは、「日本流通産業新聞」」5月19日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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