【LTV向上! 虎の巻】〈連載2〉既存顧客の動向を把握する

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LTVの算出方法
 自社のCRMがうまくいっているかどうかを判断する指標として、LTV(1人のお客さまから得られる生涯の通算利益あるいは売上高)が重要だということを、前回お話しました。
 今回はLTVの算出方法について紹介したいと思います。
 LTVは、「新規顧客の販売利益+リピートした顧客の販売利益(任意期間)÷新規顧客数」で求められます。 「売上高」をLTVとして見る方法もありますが、売り上げや広告は販促費をかければかけるほど高くなりますので、ここでは厳密に「販売利益」をLTVと定義したいと思います。
 具体的な計算式は別表1を参照してください。
 新規顧客の販売利益は比較的算出しやすいと思いますが、該当リピート顧客の販売利益は、該当顧客のリピート状況を毎月追っていく必要があり、煩雑となります。ここの段階で挫折する企業が多いようです。
 しかし、LTV向上の肝であるリテンション(リピート顧客の維持・育成)は、まず既存顧客の動向を把握することが基本となります。
 新規顧客獲得月の1カ月後、3カ月後には、これくらいのリピート売り上げがあるということは、把握しておきたいところです。

月次でPLを作成

 最近では、該当リピート顧客が、いつ稼働しているのかを簡単に抽出できるシステムなどがありますので、それらを活用するといいと思います。
 LTVをウォッチしていく期間ですが、まずは3~6カ月くらいの新規顧客から、1カ月ごとにPLを作成し、LTVを算出して推移を見ていくのが分かりやすいと思います(別表2参照)。
 LTVを算出していくと、任意期間のリピート件数、売り上げなどが分かってくるので、おのずとリピート平均受注単価や回転率(新規顧客のうち任意期間に受注した件数の割合)などが把握できるようになります。
 これらの計数は、事業計画やLTVのシミュレーションにも役立ちます。

今週の一言
 「まずは1カ月分の新規獲得顧客のリピート動向を把握して、PLを作成してみよう!」
   (月1回掲載)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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