【DECENCIA 山口裕絵社長】 <敏感肌化粧品のECを展開> 「敏感肌×エイジングケア」ブランドへ(2023年8月24日号)

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 敏感肌向け化粧品のECを展開するDECENCIA(ディセンシア、本社東京都、山口裕絵社長)は9月、敏感肌向けのシワ改善美容液を発売する。同社ではコロナ以降、競合の参入などにより、新規顧客の獲得に苦戦しているという。同社の山口社長は、「最適化至上主義から脱却し、『敏感肌×エイジングケア』ブランドとして認知を広げる」と話す。山口社長に、新商品と、激化する化粧品EC市場への対応について聞いた。

■敏感肌の人に選択肢を

 ─9月に新しいシワ改善美容液を発売するというが、どんな商品か。
 シワ改善美容液「ディセンシア リンクルO/Lコンセントレート」は、「シワ改善」と「肌に優しい」という二つのポイントを両立した商品だ。
 女性の中には、生まれつき肌が弱く、化粧品選びに積極的になれない人が一定数いる。新商品は、DECENCIAの商品を開発するポーラ化成工業の厳しい基準に準拠した、「敏感肌」設計のシワ改善製品になっている。「シワ改善製品を使ってみたいが、敏感肌が理由で手に取った経験がない」という人にも向けた製品となっている。
 アレルギーテストはもちろん、相当数の敏感肌モニターの連続使用により使用性を確認する「敏感肌連用テスト」を経て製品化した。選択肢の幅が広くない敏感肌のお客さまに、自信をもって手に取ってもらえる製品となっている。


■店販にも着手

 ─どのような販売戦略を考えているか。
 広告戦略はこれから検討していく予定だが、新商品に関する発表をした段階では、インスタグラムやフェイスブック上での反応が良いようだ。「敏感肌」に悩みを持つ、特定の強いモチベーションがある層はもちろん、敏感肌の自覚がない層にもリーチさせていきたい。シワ改善は継続ケアが重要だからこそ、肌に負担のないものを選びたいというニーズもある。
 7月には、「@cosme store(アットコスメストア)ルミネエスト新宿店」で取り扱いが始まった。9月には、「@cosme OSAKA」での取り扱いもスタートする。一部の製品を店舗でも販売する取り組みは、今後順次行っていく。新しいお客さまとの接点となることを期待したい。
 ─コロナ禍においては、EC市場が拡大したのに伴い、競合となる化粧品メーカーのECへの参入が増えた。広告規制も強化が進んでいるように感じる。貴社への影響はあるか。
 ウェブ広告市場の環境の変化により、業績が不調となっている点は、課題だと感じている。
 「敏感肌向け」のジャンルへの大手メーカーの参入が相次いでいることなどにより、新規顧客の獲得に苦戦している。
 22年は、これまで展開してきた主力のスキンケアシリーズ「アヤナス」を、「ディセンシア」としてリニューアルした。リニューアルを行ったのは、まだまだ当社のブランドを知らない人に対して認知を広げる必要があると考えたからだ。アヤナス発売から5年以上経ち、リニューアルするにもいい時期だと考えた。
 ブランドを切り替えるタイミングは、一般的に、定期購入を解約するタイミングにもなる。ただ、昨年のリニューアル時の解約率は予想数値を下回る結果となった。定期のお客さまへの丁寧なコミュニケーションが奏功した。新シリーズのサンプルセットやブランドブックなどをお届けしたことも解約率の抑制につながった。
 今後は、「リンクルO/Lコンセントレート」をきっかけに、新しいお客さまに当社の商品を手に取ってもらうアクションにドライブをかけたい。


■最適化至上主義から脱却する

 ─アフターコロナの化粧品EC市場に対してどういった戦略をとるか。
 これまで実施してきた、いわゆる「単品リピート通販」の最適化至上主義から脱却し、ブランディングも重視したいと考えている。
 私が社長に就任して以来、

(続きは、「日本ネット経済新聞」8月24日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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