【ファンケル 上席執行役員・通販営業本部部長 村岡健吾氏】 <通販売上高は前期比2.1%増の425億円> 化粧品・健康食品のクロスセル強化へ

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 ファンケルの23年3月期の個別業績における通販売上高は、前期比2.1%増の約425億円で着地した。幅広い化粧品・健康食品の商品を展開して、顧客のニーズに対応することにより、自社ECやECモールでの販売が、成長を続けているという。同社の上席執行役員・通販営業本部部長の村岡健吾氏に、23年3月期の総括と、今後の取り組みなどについて聞いた。

 ─通販事業の業績について教えてください。
 23年3月期の通販売上高は、前期比2.1%増の約425億円となりました。コロナ禍が追い風となり、通販事業は一定程度伸長しました。
 同期の通販事業の売り上げにおいて、「自社通販(自社ECや、カタログからの電話注文)」は約8割、「外部通販(ECモール)」は約2割を占めています。
 「外部通販(ECモール)」の売り上げについては、前期比20%増の84億円となりました。
 成長の要因としては、(1)主力商品が堅調に推移した(2)定期購入の登録者数が増加した(3)外部通販が伸長した─の3点が挙げられます。
 ─主力商品についても教えてください。
 化粧品の主力商品の一つは「マイルドクレンジング オイル」。基礎化粧品では、「エンリッチプラス」シリーズや、3月にリニューアルした「ブライトニング」シリーズなどが人気です。基礎化粧品を窓口に獲得した顧客は、最もロイヤルティーが高まる傾向があるのも特徴です。「洗顔」カテゴリーはバリエーションがあり、22年5月に新発売した洗顔料「泥ジェル洗顔」などが好調に伸びました。
 23年3月期の下期(22年10月―23年3月期)からは、小売店舗においても通販においても、ポイントメークやベースメークなど、メーキャップ分野の商品の動きが出てきました。
 サプリメントなど健康食品については「カロリミット」「えんきん」などのスター商品を、定期購入を中心に展開しています。
 ─定期購入が伸長したのですか。
 通販事業の売り上げの内、半分近くが定期購入です。定期登録者数を前年より1割ほど増やすことができました。継続して購入いただくお客さまが増えたため、安定的に売り上げを伸ばすことができました。
 ─外部通販の成長の要因を教えてください。
 チャネルごとにマーケティングを展開し、自社サイトとは異なる客層に、それぞれ適切なアプローチができたことが、成長の要因になったと考えています。
 ECモールの売り上げは、コロナ禍に入ってから毎年、約15~20%の成長を達成しています。
 モールごとにボリューム層は異なります。具体的には、アマゾンだと40~50代の男性が多いですし、楽天市場では30~50代の女性が多いです。Qoo10はZ世代など若者が多くなっています。
 その中で、当社のサプリメントは特にアマゾンと相性が良く、

(続きは、「日本ネット経済新聞」8月3日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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