【タンタンコーポレーション 丹澤直人代表取締役副社長】 <家電ECから総合ECへ> 100万点の商品で利便性を追求(2023年6月29日号)

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 タンタンコーポレーション(本社東京都、中山信夫社長)が運営する自社ECサイト「総合ネット通販!タンタンショップ」では、家電や家具、日用雑貨など、100万点以上の商品を取りそろえている。23年2月期の売上高は、前期と比べ微減の31億円となったが、増益での着地となったようだ。近年、家電の売り上げが安定しない中、家電以外の商品ラインアップの拡充に注力し、安定した利益を捻出できているという。近年の家電EC市場の変化と今後の展開について、代表取締役副社長を務める丹澤直人氏に話を聞いた。

 ─商品ラインアップを拡充した理由について教えてください。
 当社の自社ECサイトはもともと、「激安家電のタンタンショップ」という名前で、家電専門のECでした。それをコロナ前に、「総合ネット通販!タンタンショップ」に変更しました。
 家電専門ECの特徴として、「とりあえず見に行ってみよう」「ついでにこれを買おう」というケースが少ないことがあると思います。高単価の商品が多いため、「まとめ買い」や「ついで買い」というのはほとんどありません。そこで、家電以外の商品ラインアップを拡充し、「ついで買い」を促進できないかと考えました。
 当社の主力商品は、エアコンや冷蔵庫、洗濯機といった白物家電です。テレビやレコーダー、カメラといった黒物家電と比べ、安定した需要が見込める商品ではありますが、それでも年々売り上げは減少傾向にあります。
 現在ECサイトでは、家電だけでなく、家具や調理器具、園芸用品、ベビー用品など、100万点以上の商品を取りそろえています。販売できるアイテムとしては200万点近くありますが、売れ行きの変化を見て、定期的に、「いるもの」と「いらないもの」を精査しています。
 もともと家電というのは利益率が高い商材ではありません。特に当社のように、低価格で販売している企業にとっては、薄利多売の商売でした。そんな中、商品ラインアップを拡充し、利益率の高い商品も増やしたことで、利益率の改善につながりました。


■「詳しさ」より「簡潔さ」

 ─顧客の変化で感じることはありますか。
 近年の傾向として、特に安価な商品は、メーカーやスペックを気にする顧客が少なくなったように思います。
 10年前は、家電の購入というと、比較サイトを活用するのが当たり前でした。よりよい商品を少しでも安くという顧客が多かったように思います。そのため、細かく商品のスペックを調べたり、「このメーカーが良い」と考えたりする顧客も多かったと思います。

(続きは、「日本ネット経済新聞」6月29日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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