【ベースフード マーケティング 営業統括マネージャー 太田里沙氏】 <前期売上は78%増の成長> マーケや商品を磨き、今期売上160億円超へ(2023年6月8日号)

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 完全栄養食ブランド「BASE FOOD(ベースフード)」を運営するベースフードの売上高が伸長している。23年2月期の売上高は前期比77.8%増の98億5000万円だった。増収要因について、同社の太田里沙マーケティング/営業統括マネージャーは、「ある特定の施策が増収に寄与したというよりは、以前から積み重ねてきた複数の施策が実を結んだ。それぞれの施策の精度を上げた結果、大幅な増収につながった」と説明する。24年2月期の売上高は同63.1%増の160億7800万円を計画しており、さらなる成長を見込む。太田マネージャーに前期の振り返りと注力点、今期の事業戦略などを聞いた。

 ─23年2月期は大幅増収となった。売上高を伸ばすことができた要因は。
 マーケティング、商品開発、ECサイトのUI改善、リテール展開など、全ての施策においてバランス良く成果を上げることができた。今まで地固めしてきたことが成果に反映できたと感じている。
 その中でも特にマーケティングと商品開発には手応えを感じている。新たに消費者から購入してもらえる仕組み作りと、顧客の声を即座に反映した商品開発に注力した。これらの取り組みが、既存顧客からの信用獲得とリピート購入につながったと思う。
 ─新規顧客を獲得する仕組み作りとは。
 UGC(ユーザー生成コンテンツ)の活用や、アンバサダーとの共同施策を実施している。当社は1食で1日に必要な栄養素の3分の1を摂取できる完全栄養の主食を世界で初めて販売した。
 毎日が忙しく、まとまった食事を取れない人が主食として食べたり、トレーニングをしている人が豊富なタンパク質を補給するために食べたりと、購入想定層は幅広い。そのため、さまざまな人にアンバサダーになっていただき、商品に関する投稿を依頼している。
 フォロワー数の多さや有名人かどうかで選ぶのではなく、そのアンバサダーと当社の商品の親和性がどれだけ高いか、どれだけ当社の商品を日常で使ってもらえるかを重要視している。
 一例だが、有名アスリートの場合では、専属のフードトレーナーや寮母さんがご飯を作り体調を管理する。だが、マイナースポーツの選手は、自身で食事の管理をしなくてはならない。そのような人にこそ当社の商品は相性が良く、使ってもらいやすい。そして商品に関する投稿を見たフォロワーからの購入にもつながりやすい。
 親和性を高めることで、アンバサダーと、そのフォロワー、商品内容に乖離(かいり)が起きにくくなる。
 ─顧客の声を取り入れる方法とは。
 SNSや「BASE FOOD Labo(ベースフードラボ)」という会員限定のクローズドオンラインコミュニティーに投稿されている声を確認し、商品開発に生かしている。
 「BASE FOOD Labo」では、ユーザーは匿名で投稿できるようにしている。毎日、レシピや商品の感想など数多くの投稿が寄せられている。
 以前、顧客の声に応える形で小さめの食パンを開発したことがある。朝食にパンを食べる顧客が多くいて、丸型のパンにいろいろな食材を挟んで食べていることが分かった。朝食により食べやすい商品として、食パンを開発した。またリモートワークでついつい菓子を食べてしまう顧客も多いことが分かり、手軽に甘いものを摂取できるクッキーを開発したりもした。
 会社に顧客を招待して、試食会を実施していたこともあるが、

(続きは、「日本ネット経済新聞」6月8日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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