【DELIPCKS 谷澤悠実社長/】 <サービス開始から5月で4年目> 冷凍食品の総合プラットフォームを目指す(2023年4月20日号)

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 好みや健康需要に合わせて消費者と冷凍宅配食をマッチングするプラットフォームを開発するDELIPICKS(デリピックス、本社神奈川県、谷澤悠実社長)では、冷凍弁当のEC「CHEFBOX(シェフボックス)」がサービス開始から5月で4年目となる。22年12月には、オイシックス・ラ・大地が出資するFuture Food Fund(本社東京都)が運営するフードイノベーション領域に特化したCVCファンド「Future Food Fund1号」から投資を受け、成長を加速させている。起業の経緯や今後の事業展開について谷澤社長に聞いた。

 ─御社のこれまでの沿革について教えてください。
 18年11月に起業しました。創業から1年半ほどは法人向けのサービスを都内で展開していました。当時はランチ難民と言われるくらい、高層ビルで働くビジネスマンからの昼食のニーズが高いと考えました。
 従業員の好みに合わせて飲食店の商品を朝方の時間帯に作ってもらい、ルート配送するという事業です。一方で課題もありました。単価が安く、オペレーションへの投資が大きいほか、コロナの緊急事態宣言も追い打ちとなり売り上げがゼロになりました。
 20年5月のタイミングで一般消費者向けの事業に大きくかじを切ると決めて、現在のEC「シェフボックス」というサービスを開始しました。
 緊急事態宣言は不運だったと思いますが、今振り返れば、どこかのタイミングで切り替えが必要だったと思います。
 テストキッチンを探すところから始め、その前後でメニュー開発を行うシェフを見つけました。1カ月でサービスを開始し、初月で月商数百万円を上げることができました。手元の資金が残り3カ月に迫っており、早期に資金が不足する可能性もあったため、当時は必死でした。
 当初は東京都の中央区や品川区、目黒区など比較的所得の高い人が住むエリアに特化してポスティングチラシで集客していました。
 ─谷澤社長の経歴を教えてください。
 私は6人家族の末っ子で、世帯年収180万円の家庭で育ちました。自然の中で食材を確保して空腹を満たす幼少期を過ごしたため、栄養失調にもなりました。
 私にとって3大欲求の中で何よりも最優先なのが「食」。食が全ての生命活動における「グローバル変数」であることを痛感したことが起業の原点にあります。全てのエネルギーの源である食を、個人の多様性を失うことなく楽しめる世界を作りたいと思い創業しました。
 ─冷凍弁当EC「シェフボックス」のサービス概要を教えてください。
 ECサイトで自分の好みを入力するだけで、好みに合わせたメニューを自動で選んでくれます。1回6食と8食セットの2種類のコースから選べます。常に新規商品を積極的に投入することで飽きない品ぞろえで提供しています。
 データを活用し、商品と個人をつなげることが当社のビジョンです。
 消費者の需要が多様化している一方で、食品スーパ―では、大量生産・大量消費の商品が中心です。例えば、アレルギーを抱えていたり、ビーガン、減塩、糖質制限を求めていたりする人のニーズを満たすことが難しいです。当社はこうしたニーズを満たせるような多品種・少量生産、中品種・中量生産といった新しいバリューチェーンを作ることを目標としています。
 具体的には、

(続きは、「日本ネット経済新聞」4月20日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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