【サードウェーブ 尾崎健介代表取締役社長】 〈ゲームからPCへの興味を〉ハイエンドPC需要が追い風に(2022年11月10日号)

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 PC・周辺機器の販売を手掛けるサードウェーブ(本社東京都)が近年大きく売り上げを伸ばしている。グループ売上高は19年7月期から毎年、約100億円ずつ増収し続けており、22年7月期の売上高は、700億円を超えたとみられる。EC単体の売上高は非公開だが、全体の約3割とみられる。好調の背景には、「GIGAスクール」構想によって、PCと周辺機器の需要が拡大したことがある。eスポーツの人気の高まりを反映し、ゲーミングPCの売れ行きが好調であることも、業績をけん引しているようだ。同社では、eスポーツの大会を主催するなど、eスポーツ関連の活動も積極的に行っているという。好調の要因と、eスポーツの取り組みについて、尾崎健介社長に話を聞いた。

■ハイエンドPCが好調

 ─好調の要因について教えてください。
 当社の主力商品は、ゲーミングPC「GALLERIA(ガレリア)」などの、ハイエンドPCや、その周辺機器です。ゲーミングPCは少し前までは、「ゲームのためのPC」と思われることがほとんどでした。ですが最近は、「高性能なPC」という認識に変わりつつあり、ゲームだけでなく、動画編集やメタバースなど、さまざまな用途で、その需要が広がりつつあります。
 ゲーミングPCは、高画質なゲームをどれだけ快適に遊べるかを意識して作られています。もちろんゲームだけでなく、動画の編集にも最適です。
 最近は、趣味や副業でユーチューブに動画を投稿する人も増えています。動画編集はスマホでもできる時代ですが、「本格的に」となるとやはりハイエンドPCを求めるようです。
 「スマホからPCへ」という流れは、ゲームでも同様です。最近は、スマホ、家庭用ゲーム機、PCと、マルチプラットフォームで展開するゲームが増えています。スマホや家庭用ゲーム機でプレーしていたけれど、読み込み速度や操作性を求めて、PCに移行するというプレーヤーも増えているようです。
 「GIGAスクール構想」も追い風になっています。PCで何をするかにもよりますが、やりたいことによっては、当然PCのスペックが必要になります。PC本体を買う人もいれば、パーツを買う人もいます。昔に比べて、PCでやれることが増えた分、PCのスペックがさらに求められるようになっているのだと思います。
 スマホの普及で、PCの需要は減ったと思われていますが、動画編集やゲームを本格的にやりたい人にとっては、ハイエンドPCの需要はむしろ高まっていると思います。


■PCはECが主戦場

 ─実店舗とECで売れ行きの違いはありますか。

(続きは、「日本ネット経済新聞」11月10日号で)

【プロフィール】
尾崎健介(おざき・けんすけ)氏
 2001年東京理科大学卒業。日本オラクルを経て、2006年にサードウェーブに入社。取締役、専務を経て、2007年から現職。

主力商品のゲーミングPC「GALLERIA(ガレリア)」

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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