【富澤商店 マーケティング部 岩井一紘部長】 〈菓子用食材や菓子用資材などをEC展開〉AI活用しソーシャルコマース構築へ(2022年9月15日号)

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 小麦粉などの菓子用食材や菓子用資材などをECで販売する富澤商店(本社東京都、富澤淳社長)は10月、新たなソーシャルコマースの仕組みを構築する。新たなソーシャルコマースの仕組みでは、顧客をインスタグラムなどのSNSから、”コミュニティー”に特化した専用サイトへと遷移させる。AI技術を活用し、お菓子作りに興味のあるユーザーを、SNSからシームレスに、買い物体験へとつなげるという。富澤商店マーケティング部の岩井一紘部長に、ソーシャルコマースの仕組みとメリットについて聞いた。

■ソーシャルコマースサイト立ち上げ

 ─富澤商店が構築している次世代型ソーシャルコマースの仕組みについて教えてください。
 SNSとECサイトをシームレスにつなげる仕組みです。AI技術を活用し、お客さまに新しい購買体験を提供します。LTVを高める目的があります。お客さまのロイヤルティーを向上させる仕組みです。お客さまは当社が発信する情報に直接触れることができます。リピート購入につながりやすい仕組みだと考えています。
 まず、インスタグラムやツイッターといったSNSで、当社のアカウントの発信力を強化します。
 SNSには、当社の公式アカウントもありますが、それだけでなく、実店舗やカスタマーセンター、自由が丘の料理教室のスタッフにも、アカウントを開設し運用してもらいます。店舗や料理教室のスタッフは、商品やお菓子作りに関する知識を豊富に持っていますし、接客スキルも備えています。そういった知識やスキルを、デジタル上での、お客さまとの関係構築に活用してもらいます。
 次に、通常のECサイトとは別に、ソーシャルコマースサイトを立ち上げます。このサイトの構築には、AIを用いてシステム開発を行うAIQ(アイキュー、本社東京都)が提供するソーシャルコマースプラットフォーム「Moribus Community&Commerce」を活用します。
 富澤商店のコミュニティーコマースサイト上では、SNSをきっかけに商品やお菓子作りに興味を持ったお客さまが、お菓子作りに詳しいスタッフや、お菓子作りが本当に好きな他のお客さまと、積極的にコミュニケーションできます。商品の情報や、お菓子のレシピの情報を、スタッフや、他のお客さまとの間で共有していただくこともできます。
 当初は、SNS上の公式アカウントやスタッフの投稿に記載したURLからブラウザーで、コミュニティーコマースの専用ページへと遷移してもらう形になります。お客さまが利用方法に戸惑うことがないよう、新サイトでは、インスタグラムに近いデザインを採用する予定です。


■AIで見込み客発掘

 ─AIはどういった部分で活用するのですか。
 例えば、コミュニティーコマースサイトを利用したお客さまに、属性が近いお客さまをSNSで探し、その人に対して情報を発信するのに活用します。
 
(続きは、「日本ネット経済新聞」9月15日号で)

【プロフィール】
岩井一紘(いわい・かずひろ)
 1977年生まれ埼玉県三郷市出身。
 ダイレクトマーケティング、デジタルマーケティングのコンサルティング業務を実施。株式会社シャトレーゼでの販売企画部の管轄を経て、2021年に株式会社富澤商店に入社。マーケティング事業部の新設以来、コミュニケーション領域特化のための事業開発などを行う。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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