【インタビュー】 〈5年目迎える「ワタミの宅食ダイレクト」〉ワタミ 宅食ダイレクト/キット事業本部 森園啓司本部長/「宅食ダイレクト」で顧客の健康維持に貢献(2022年9月8日号)

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 ワタミが、2017年から展開する、冷凍総菜のEC「ワタミの宅食ダイレクト」は今年で5年目を迎える。コロナ禍を経て、不要な外出の自粛とリモートワークの定着、健康意識の高まりを受けて利用者数が急増。今年3月に累計販売食数が600万食を超えるなど好調だ。宅食ダイレクト/キット事業本部を21年に立ち上げて新規事業化を目指している。宅食ダイレクト/キット事業本部の森園啓司本部長にEC事業の展開と今後の見通しについて聞いた。

■累計700万食へ

 ─宅食ダイレクトの現状について教えてください。
 「ワタミの宅食」の事業範囲を拡大する形で、17年11月に冷凍総菜のECとして開始しています。管理栄養士が設計したバランスの取れた冷凍総菜をご自宅に宅配便で届けるサービスで、今年3月には累計600万食を突破し、間もなく700万食に到達する見込みです。
 「宅食事業」で展開する冷蔵(チルド)弁当の食数は1日25万食です。「宅食ダイレクト」は1日当たり1万~1万5000食とまだ小さい規模です。とはいえ、月間で約2万人のお客さまに定期的に販売していることを考えれば、冷凍総菜の通販の中ではそれなりの規模だと思います。
 コロナ禍で冷凍総菜に対するニーズが高まったことを受け、以前と比べて大きく伸びています。23年3月期では、前年同月比で10~15%増で推移しています。
 ─商品ラインアップについては。
 2種類の総菜の「いつでも2菜」、3種類の「いつでも三菜」、5種類の「いつでも5菜」、やわらか・ムース食の「介護食」、麺類や丼ものの「アラカルト」を用意しています。
 最も受注が多いのは「いつでも三菜」です。「宅食事業」で販売する商品とは製造工程や食材などは異なります。冷蔵の場合だと、当日にお召し上がりいただきますが、冷凍の場合は食べるまでに時間があるため、味付けなどに工夫をしています。
 「宅食ダイレクト」の販売対象も異なります。「宅食事業」は70~80代の高齢者のお客さまが中心ですが、「宅食ダイレクト」は40~60代が中心です。
 「宅食事業」は、当社の「まごころスタッフ」が日々対面で弁当や総菜を届けています。ただ、対面を控えたいお客さまや共働き世帯、日中は自宅に不在がちな人もいるため、ECで直接届けることができることでニーズに対応していきたいと思います。
 ─商品の特徴と差別化について教えてください。
 品目数や塩分、カロリーへのこだわりをベースにして、肉系や魚系などのバランスを考えてメニューを組み立て、お客さまが選べるようにしています。

(続きは、「日本ネット経済新聞」9月8日号で)

【プロフィール】
もりぞの・けいじ氏
 06年4月、ワタミ入社。10年4月、外食営業部のエリアマネージャーに着任。16年2月に東日本営業本部HR、7月に経営企画、21年6月に営業推進部を経て、22年3月に宅食ダイレクト/キット事業本部。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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