【ビビッドガーデン 秋元里奈社長】 〈産直通販サイト「食べチョク」を運営〉「生産者ファースト」掲げ社会課題解決へ(2022年6月30日号)

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 産直通販サイト「食べチョク」を運営するビビッドガーデン(本社東京都、秋元里奈社長)は、コロナ禍で急成長を遂げ、流通総額がコロナの前と比べると128倍に増えた。メディアでの露出が増えたことで、認知が高まった。このほど地方銀行系などから13億円の出資を受けた。エンジニアの採用やマーケィングなどに力を注ぐという。秋元社長に、急成長の背景と広報戦略、今後のビジョンについて聞いた。

■流通総額128倍に

 ─コロナ禍前と比べて流通総額が128倍と大きく伸ばしています。
 コロナ禍で、学校が休校になったり、飲食店が休業したりして卸先がなくなった生産者を応援するプログラムを早い段階から始めて対応してきました。当時は「応援消費」という言葉もなかったことから、メディアに取り上げていただく機会が増えました。「生産者ファースト」を掲げてきたということもあり、他のサービスとの差別化が図ることができたと思います。
 コロナ禍で消費者と生産者の双方に大きな市場の変化もありました。消費者は、自宅にいる時間が増えたことで「お取り寄せ」のニーズが増えました。細かな施策の積み重ねによって、サービスの認知が高まりました。例えば、テレビで取り上げられた時に、ウェブサイトへのアクセスが集中してサーバーがダウンしてしまうことが良くありますが、当社では、こうしたことが起きないインフラ作りにも備えました。基本的なことですが、こうした一つ一つの積み重ねが利用につながっているのだと思います。


■枠に捉われない事業モデル

 ─既存の枠に捉われない事業モデルを作り上げています。
 一般的なプラットフォームの場合は、ユーザーと出品者同士が直接取引を行いますが、当社は取引の間にきちんと入って、ユーザーの問い合わせを受けたり、生産者をフォローしたりしています。
 「生産者ファースト」では、生産者がストレスなく販売ができる環境を作ったほか、規模の大小に関わらず売れる環境を提供しています。現在は、消費者への販売が主力ですが、生産者の「売る」こと以外の部分でも課題解決していきたいと考えています。

(続きは、「日本ネット経済新聞」6月30日号で)

〈プロフィール〉
あきもと・りな氏
 神奈川県相模原市の農家に生まれる。慶應義塾大学理工学部卒業。DeNAでwebサービスのディレクターやアプリのマーケティング責任者など4部署を経験。16年11月に株式会社ビビッドガーデン創業。20年4月にアジアを代表する30歳未満の30人「Forbes 30 Under 30 Asia」に選出。20年9月に報道番組「Nスタ」の水曜レギュラーコメンテーターに就任。その他、「スッキリ」コメンテーター、「セブンルール」、「カンブリア宮殿」などに出演。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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