【ブルマーレ 沈海波代表取締役】 〈下着D2C「スクー」拡大へ〉メーカーの知見を開発に生かす(2022年6月23日号)

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 婦人下着をネットで販売するブルマーレ(本社東京都)が21年9月に開設した自社ECサイト「Scuu(スクー)」は、下着メーカーならではの知見を生かしたD2Cの展開が強みだ。今年4月に傘下に収めた下着ブランド「feast(フィースト)」と合わせて、EC売上高を3年後までに5億円に拡大する計画だ。沈海波代表取締役に成長戦略やブルマーレの強みについて聞いた。

 ─これまではOEM・ODM企業として下着の受注生産を担ってきた。21年9月に「スクー」を開設し、EC市場にも本格参入した。
 メーカーの知見を持つ下着D2Cとして市場でのシェア拡大を目指している。既存事業を通じて蓄積した下着の製造・開発ノウハウに強みがあると自負している。OEM・ODMでも、単に受注するだけでなく、「売れる」商品を作るための提案力を持つ点が当社の持ち味だ。この企画力・提案力は自社ECにもそのまま生かせる。
 約20年間、下着のOEM・ODM企業として日本市場で2億5000万点超の製品を作り続けてきた。企業名は明かせないが、誰もが知る下着企業や大手量販店からも受注している。グループ会社を含めた、日本法人全体の22年3月期の売上高は前期比7%増の約50億円。このうち、EC売上高はまだまだ規模が小さいが、伸びしろは大きいとみている。
 ─さまざまなブランドの提案・企画に携わり、社内にノウハウが積み上がっているのか。
 そうだ。これまでの実績と知見を生かし、自社ブランドの立ち上げに踏み切った。商品の価格帯はブラジャーが3000円前後、ショーツ類は2000円前後。手に取りやすい価格に抑えている。自社工場を持つ当社のD2Cだからこそ、品質が高く、デザインを追求した商品を手ごろな価格で提供できる。仕入れ商品を販売する一般的な下着通販企業では、当社と同じ品質の商品を同じ価格帯で販売することは難しいと思う。消費者にとっては、当社の下着に出会うことで、いつもと同じ価格帯でもこれまでよりワンランク上の質感を体験できると思っている。
 ─主な顧客ターゲットは。
 20代後半~40代の女性。20~30代女性はファッション性が強いインナーを好む傾向にあり、こうした需要を捉えた商品開発にのぞんでいる。一方で、30代からは体型や肉質が徐々に変わってくる。それに合わせた、体を美しくサポートしていく機能を持った商品の企画にも取り組んでいる。締め付けが強い、いわゆる補正下着ではなく、着心地の良さにも気を配っている。


■下着のプロならではの発信

 ─新規獲得やリピーター育成に向けた施策は。

【プロフィール】
 94年に中国から留学のために来日。大学卒業後、商社勤務を経て、01年4月、現在のブルマーレを設立、代表取締役に就任した。

(続きは、「日本ネット経済新聞」6月23日号で)

「スクー」で人気の「エアリーリフトアップブラ(ノンワイヤー)」

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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