【インタビュー】 〈配送業務の効率化も推進〉ストリーム 松井敏代表取締役社長/外部サイトでのポイント施策を強化

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 家電のECサイト「ECカレント」を運営するストリームは2月1日、松井敏営業本部長が社長に就任するトップ人事を行った。17年はアマゾンや楽天、ヤフーショッピングといった外部サイトでポイント施策を積極的に実施、18年1月期のネット通販の売上高は前期比2.1%増の192億2500万円だった。配送の一部を外部に委託するなど物流業務の効率化も推進している。松井社長にネット通販事業の戦略などについて聞いた。

■物流業務を効率化

 ─17年に意識して取り組んだことは。

 昨年はアマゾン、楽天、ヤフーショッピングといった出店先の外部サイトでの販売強化に取り組みました。16年から外部サイトでの売り上げが伸びていたからです。外部サイト向けのプロモーションを積極的に実施し、キャンペーン時にポイントの付与を増やし、新規顧客の獲得を行いました。予想以上に売り上げが伸びたので、手ごたえを感じています。

 ─ポイント付与を強化したことで宣伝広告費が増加したのでは。

 結果的に増加しました。18年1月期の連結決算は減益となりました。前期の取り組みと結果を検証し、利益と集客にかかるコストのバランスをより正確に見極めていきます。

 ─売り上げが順調だった外部サイトは。

 3店舗とも順調に売り上げを確保していますが、特に売り上げが伸びたのは「amazonマーケットプレイス」です。昨年11月から在庫保管・商品配送を代行するサービス「フルフィルメント by amazon(FBA)」を導入しました。売り上げ拡大に伴い、物量が増えたことで、自社だけでは対応が難しくなったためです。物流業務における負担を減らしたことで、年末年始の受注増加にも無理なく対応することができ、増収につながったと考えています。今後も業務効率化を推進させることで、売り上げ拡大を目指していきます。

 ─17年は運送会社の運賃値上げがクローズアップされました。物流コストについてはどう考えていますか。

 物流コストによる影響が大きいとは感じていません。確かに委託先の運送会社からの送料の改定については、以前から定期的に話し合いを重ねており、ある程度の想定はしていました。物流の課題は常についてきますので、業務の効率化が重要だと思います。昨年は自社の物流施設で出荷の締め切り時間を1時間早めるなど、負担の軽減に取り組んでいます。


■在庫管理に注力

 ─外部モールには他社も積極的に出店しており、競争が激化しています。継続的に売り上げを伸ばす上で必要と考えていることは。
 商品の拡充と在庫管理だと考えております。外部サイトでの販売強化後、新規顧客は確実に増えています。継続的に売り上げを伸ばすために、ウェブ広告などで積極的なプロモーション活動を行い、サービスの認知度を高めていきます。ECサイトの掲載商品数を増やすとともに売れ筋商品を確保していく必要があります。そのためには新規商材の開拓が重要になってきます。在庫の適正化も推進させ、商品が循環的に流れるようにしたいです。
 ─在庫の適正化とはどういう取り組みですか。
 稼働在庫を適正なレベルに保つための施策です。市場のトレンド、各商品の稼働状況に応じてポイント付与などのキャンペーンを実施し、ユーザーの購買意欲を高めます。そうすることで在庫の滞留を防ぎます。
 ─スマホを使って購入する人は増えていますか。
 特に女性が好む日用品、雑貨などの商品については売り上げが着実に伸びています。スマホによる売り上げを伸ばすため、ECサイトの利便性向上などに取り組んでいきたいと考えています。
 ─他社との差異化を図る上で、今後取り組まなければならないことは。
 既成概念に捉われず新しいサービスを展開していくことだと考えています。多くのユーザーに利用してもらえる施策を積極的に実施し、ユーザー数の拡大に努めていきたいです。最近の取り組みとしては、ウェブ接客ツールを自社サイトで導入しました。今後、機能を増やしていく予定です。

(続きは、「日本ネット経済新聞」3月29日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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