【有力EC事業者・有識者が市場を予測】 「顧客接点」が勝負の分かれ目 (2022年1月13日号)

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 22年は「コロナ後の市場でいかに成長を維持するか」がポイントとなる。有力なEC企業のトップや有識者に、22年の市場展望を聞くと、「UGC(レビューなどの、ユーザーが作るコンテンツ)」や「OMO」「SDGs」「メタバース」など、新たな顧客接点に目を向けている。新しい顧客接点を通じてコミュニケーションを図り、コロナ禍で獲得した顧客の定着を図っていく流れが生まれていきそうだ。

 本紙ではこのほど、ストリームやタンスのゲン、ユナイテッドアローズ、バルクオムなど、EC業界を代表する企業のトップに、22年のEC市場展望について語ってもらった。「SDGs」や「社会貢献」を通販・EC事業に取り入れようとする企業が複数あった。「OMO」や「UGC」を顧客接点の手段として活用し、企業と顧客とのコミュニケーションの頻度や密度を増やそうと考えている企業も複数あった。
 コロナ禍でECの利用者数は急増した。特に年配のECユーザーが増加したとみられる。55~75歳のシニア層を対象に行った調査では、19年に33%だったEC利用者が48%に増加したというデータもある。
 一方で、コロナ以降、ECに参入した企業も無数にある。価格競争が激化し、広告の単価も上昇している。「今までと同じやり方では通用しない」という事業者もいる。
 「OMO」や「UGC」など、新たな顧客接点をうまく使いこなせた企業が、コロナ後の世界を生き残るのではないか。「社会貢献」を顧客コミュニケーションの要素として取り入れ、将来消費の中心となる若い世代の顧客を囲い込んでおくことも重要だろう。
 物流コストや資材コストの高騰など、事業者を取り巻くさまざまな課題は山積している。そんな中、新たな接点を手中に収めた企業だけが、顧客に選ばれる、真の勝者になるかもしれない。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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