〈ターゲティング広告〉 クッキー規制で追跡精度落ちる/次世代の”プライバシーの砂場”に備えよ

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 クッキー(※1参照)を使ったターゲティング広告の精度が低下している。グーグルなどのブラウザを提供する企業は、プライバシー保護の観点から、クッキーを使ったターゲティング広告の制限を強化しており、今後も追跡精度の低下が進むとみられる。グーグルは、クッキー情報を使わない、新たなターゲティング広告のサービス「プライバシーサンドボックス」を開発中だ。新サービスでは、特定の個人の端末に広告を配信するのではなく、同じ属性のユーザーが持つ不特定多数の端末に広告を配信する方向だという。早ければ21年にも、国内でテスト導入される可能性がある。

■ターゲティングの精度低下

 クッキーの利用制限は、アップルが提供する「Safari(サファリ)」や、グーグルの「Chrome(クローム)」など、さまざまなインターネットブラウザで始まっている。特に、各ブラウザは、広告配信に利用するサードパーティークッキー(※2参照)への利用制限を強化している。
 「サファリ」は18年からサードパーティークッキーの有効期間を24時間に制限。グーグルは20年1月に、今後2年以内にサードパーティークッキーの提供を停止すると発表した。
 ブラウザがサードパーティークッキーの利用を制限すると、広告主や広告代理店は、ターゲティング広告を打ちにくくなる。
 ウェブ接客ツールを提供しているエフコード(本社東京都)の執行役員で、デジタルマーケティングに詳しい須合聡氏は、「クッキーを活用した広告配信プラットフォームの精度は、日ごとに落ちてきている」と話す。
 デジタルマーケティング支援のペンシル(本社福岡県)の馬場孝一執行役員は「クッキーの利用が比較的自由だった16年ごろと比較すると、広告からのCVに関する効果計測の精度が、大きく低下している」と話す。
 「サファリ」は19年9月に発表した最新のプライバシー保護機能で、広告利用ではないクッキーにも利用制限を追加した。クッキーを利用した広告配信はますます厳しくなっていくと考えられる。


■効果計測など五つの機能

 グーグルは、サードパーティークッキーの利用の廃止を発表した一方で、

(続きは、「日本ネット経済新聞」4月23日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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