〈PayPayモール〉 10月16日に開始予定/EC事業者手数料憂慮し出店辞退も

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 ヤフーが今秋から開始する新たなECモール「PayPayモール(ペイペイモール)」が、10月16日から始まることが関係者への取材で明らかになった。「ペイペイモール」は、ヤフーが設定した出店条件をクリアしたEC事業者が出店できる。ヤフーは当初10月から開始すると発表していた。「ペイペイモール」への出店を決めたEC事業者からは「店の露出が増えることで、売り上げを伸ばすことにつながる」と期待する声がある。しかし、「ヤフーショッピング」が出店料無料なのに対し、「ペイペイモール」は売上高の3%のロイヤルティーが発生する。手数料の発生や販促策が不明なことを理由に、出店を辞退するEC事業者もある。開始時期が10月16日以降にずれ込む可能性を指摘する関係者もいる。

■新モールに期待

 「ペイペイモール」への出店条件は別表の通り。「ヤフーショッピング」に出店している事業者に対して、出荷の速さやストアの評価など、ヤフーが定める指標が総合的に高いEC事業者が出店対象になる。
 「ペイペイモール」に出店している商品は「ヤフーショッピング」でも表示する。「ペイペイモール」出店後も、「ヤフーショッピング」に従来通り出店できる。
 「ペイペイモール」への出店を決めたあるEC事業者は、「露出が増え、集客ができる点は魅力的。キャンペーンで相当な額のお金を使うと担当者から聞いている。100億円あげちゃうキャンペーンで世間を騒がせたこともあり、今回も何か施策があるのではと期待している」と話す。


■大型販促の可能性

 スマホ決済サービス「PayPay(ペイペイ)」は10月1日時点で、アカウント登録を行ったユーザー数が1500万人を超えた。累計決済回数は1.7億回。18年12月に実施した「100億円あげちゃうキャンペーン」を皮切りに認知度を伸ばしてきた。
 19年3月1日に開催したヤフーショッピング戦略共有会で、小澤隆生取締役専務執行役員COOは、次のように「ヤフーショッピング」および「ペイペイ」に言及している。
 「決済を通じてネットとリアルを融合していく。今まで活用していたTポイントは良くも悪くも『ヤフーショッピング』でしか使えなかった。『ペイペイ』にはいろんな可能性がある。」(小澤取締役)
 ユーザーは、リアルの「ペイペイ」加盟店での購入に応じてたまった「ペイペイ」のポイントを使用するため、「ヤフーショッピング」や「ペイペイモール」に流入。「ペイペイ」会員は決済ツールを使うことが目的のため購買意欲が明確だ。
 「『ペイペイ』は、ポイント還元20%のバックで社会現象が起きたが、『ヤフーショッピング』は20%どころじゃないときもある。ヤフーとして、キャンペーンの仕方が下手だったのかなと思った。キャンペーンで使っている金額は『ペイペイ』よりも『ヤフーショッピング』の方が大きい。このあたりのキャンペーンをうまく設計することで、消費者に対してすごいと思ってもらえるのでは」(同)


■辞退する店舗も

(続きは、「日本ネット経済新聞」10月10日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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