ユーグレナ 18年9月期/定期購入頻度に乱れも/直販売上高15.9%増の107億円

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

 ミドリムシ原料の健康食品や化粧品を販売するユーグレナの18年9月期の直販売上高は、前期比15.9%増の107億4000万円だった。通期では増収となったものの、定期購入顧客のリピート回数などが期初の想定よりも下回り、下期は売り上げの伸長が鈍化したという。
 同社は17年10月〜18年3月(上半期)において、自社スキンケア化粧品ブランド「one(ワン)」を中心に積極的に広告投資を行った。化粧品事業が通期の直販事業の増収をけん引したという。ただ、従来の化粧品の定期顧客を中心に、「定期購入のリピート回数の減少」や「リピートのスパンの長期化」といった現象が起きたという。
 同社では明確な理由は解明できていないとしているが、「化粧品については『少量でも肌への伸びがいい』という声が多く、リピート回数の減少につながった可能性がある」(広報・IR)としている。
 同社は18年9月期中に、ミドリムシを原料とした化粧品シリーズ「one」の新商品を発売したり、サプリメントなどを扱う美容ブランド「eu(イーユー)」を立ち上げたりするなど、新商品の開発・投入を進めた。19年9月期に向けては、「効率的な広告投資を重視し、戦略的な新商品の開発に注力する」(出雲充社長)としている。
 ユーグレナ全体の売上高は前期比9%増の151億7400万円、営業損失は13億7900万円だった。同社は10月末、ミドリムシを活用したバイオジェット・ディーゼル燃料製造の実証プラントを竣工した。今後は、燃料用微細藻類について、大規模かつ低コストな生産技術の確立を目指すとしており、18年9月期はその投資のためのフェーズだとしている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ