【〈「高級・安全」求める需要にリーチ〉JA全農 上野 一彦 輸出対策部部長】日本産コメの多角的PRも展開予定

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[前文]
 全農は17年12月、アリババと提携し、中国EC市場向けのコメの輸出を強化した。アリババは全農から輸入したコメを、同社が運営する中国大手ECモール「天猫(Tモール)」内で販売する。今後、天猫での販売状況を見つつ、コメの輸出量の増加を図っていくとともに、中国国内で現地の料理教室などとも連携して、多角的に日本産のコメのPRを図っていく予定だという。全農の上野一彦輸出対策部長に、中国向け販売の課題について、話を聞いた。

 ---アリババに直接コメの輸出を始めた背景は。
 中国EC市場については数年前から、魅力的な市場だと捉えていた。中国全土で所得が高まってきており、富裕層だけでなく一般家庭にも、「本物で安全性の高い商品」に対するニーズが生まれているからだ。まずは天猫を通じて、日本のコメを”高級品”として認知させていきたい。
 中国で、「日本のコメ」とうたっている商品でも、偽物が多い。JAが輸出したコメをアリババが直営店で扱うことにより、「本物・安全」という面を担保できるのではないかと考えている。
 日本のコメを買っている人の中心は、富裕層だ。贈答用や自家消費の購入が多い。将来的には、一般家庭向けの流通を拡大させていきたいと考えている。ターゲットとして考えているのは、30〜50代のミドル層だ。中国でも日本と同様、健康志向が非常に高まってきている。子供や自分の親に安全・安心なものを食べてほしいと考えている世代に対して、リーチするようなプロモーションを検討している。
 現地の料理教室と提携して、日本のコメを使ったメニューの提案を行っていくのも一つの方法だろう。日本産のコメについて、多角的なプロモーション戦略を検討していく。所得の高い家庭の主婦層にリーチしている企業との提携も視野に入れている。

(続きは、「日本ネット経済新聞」3月22日号で)

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