【ニュース 深読み】〈北の達人コーポレーション〉 はぐくみプラスを提訴/アフィリエイターに虚偽説明

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 健康食品や化粧品の通販事業を行う北の達人コーポレーション(北の達人)は2月7日、健康食品通販のはぐくみプラス(本社福岡県、山村昌平社長)に対して、品質誤認表示・信用毀損(きそん)行為の差し止めや、損害賠償の支払いなどを求めた訴訟を東京地方裁判所に提起した。はぐくみプラスの社員がアフィリエイター向けのイベントで虚偽の説明をし、北の達人の商品の信用を損なったことで、損害を被ったという。
 北の達人ははぐくみプラスの社員がアフィリエイター向けに、「(北の達人の)『カイテキオリゴ』はオリゴ糖100%じゃない、(はぐくみプラスの)『はぐくみオリゴ』はその点良品で100%」と説明していたとして提訴した。虚偽の事実を基に、「カイテキオリゴ」が「はぐくみオリゴ」に劣る商品であるかのように伝え、真に受けたアフィリエイターがウェブサイトなどでそのように表示していたという。
 北の達人によると「当社はもともと、オリゴ糖100%だとは言っていない。『はぐくみオリゴ』も商品の特性上、オリゴ糖100%ではないはず。それなのに当社の商品が劣るかのように見せかけ、実際にそのような情報が発信されていた」(北の達人・堀川麻子専務)と言う。
 北の達人は16年11月、はぐくみプラスに対し信用毀損行為の差し止めを求めて警告書を送付した。はぐくみプラスも事実を認め、自社ECサイトでの「オリゴ糖100%」といった表示は削除していた。ただ、北の達人によるとその後もアフィリエイター向けの説明は改善されず、楽天市場店などでは「オリゴ糖100%」という表示を継続していたという。
 「事実を認めながらも信用毀損行為をやめないことから悪意を感じ、訴訟に踏み切った」(同)と話す。
 北の達人は「オリゴ糖100%」という品質誤認表示の差し止めや、その虚偽の事実を記載した文書を回収することを求めている。さらに「はぐくみオリゴ」の推定利益額の13億7944万円のうち、支払い可能だと考える1億円を損害賠償として支払いを求めている。
 はぐくみプラスは「訴状がまだ届いていない。訴状が届いてから真摯(しんし)に対応したい」(担当者)とコメントした。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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