【CBD EC市場】 水面下で競争激化/大手参入の動きも(2024年3月14日号)

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バランスドのCBDドリンク

バランスドのCBDドリンク

 23年12月6日に、改正大麻取締法が国会で可決成立したのを受けて、CBD市場にも変化が生じている。ECでCBD製品を展開する企業の中には、卸の問い合わせが急増している企業も少なくないようだ。CBDの原料販売やOEM供給を行う企業でも、同様の傾向が見られている。CBD配合のナイトドリンクをECで販売するバランスド(本社東京都)では、全国で数千店舗を展開する小売店チェーンから、テスト販売をしたいという問い合わせを受けたとしている。CBD関連のOEMを展開する吉兆堂でも、大手企業などから、「水溶性CBDで商品を作りたい」という相談が寄せられるケースが増えているそうだ。24年12月12日までには改正法が施行されることになる。今後、CBDEC市場はさらに大きく変化していきそうだ。CBD市場のパイ争奪戦は、水面下で激化しつつある。

■国内メーカー品が主流に

 ECと実店舗でCBD製品を販売するチラクシー(本社神奈川県)によると、23年以降、国内メーカーの商品が急増しているという。「これまでは海外メーカーのCBD製品を売るケースが主流だったが、23年の後半から潮目が変わりつつある。国内の食品メーカーの参入が目立つようになった」(井上寿毅社長)と話す。「国内メーカーの参入により、製品のレベルが急激に上がった。『CBD配合』というだけで戦うのは厳しくなっている。CBDを配合すると苦くなりがちだ。そういった課題を解決した、おいしい商品が人気となっている」(同)とも話す。
 20年に設立されたCBD販売会社であるGreen(グリーン、本社東京都)でも同様の傾向がみられるという。同社では、約350種類のCBD製品を販売している。以前から安定して人気が高いのは、吸引タイプ・使い捨てのCBD製品だが、23年からは、グミやクッキーなど、食品タイプの製品の売れ行きが伸びているという。
 「商品の価格は、吸引タイプだと5000円前後だ。一方、グミやクッキーなどの食品タイプは、1000円前後。低価格で効果を得られるだけでなく、吸引やオイルと違い、摂取の仕方に抵抗がない人が多いことも、人気の要因となっているようだ」(統括マネージャー・中山翔太氏)と話す。
 「為替の影響で、輸入品の価格が上がったこともあり、国内メーカーの商品数も急増している。国内製造が中心になりつつある」(同)と話す。


■夏から秋がピークか

 セルフコンディションブランド「DECON(デコン)」でCBD製品を展開する協和ホールディングス(本社東京都)は、CBDマウスウォッシュを、24年の年明けに発売する予定だったが見送ったという。「現状だと、卸先の開拓は難しいというのがあった。施行の日程が正式に決まれば、大手小売店も導入しやすくなるはずだ。同時期にECでも発売することで、一気に認知を拡大させていきたい」(担当者)と話す。
 CBDのOEM事業を展開する吉兆堂(本社兵庫県)のミュラーアレキサンダー丈嗣社長も、

(続きは、「日本ネット経済新聞」3月14日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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