【ふるさと納税 独自アンケート調査】 「5割ルール厳しい」が8割/「寄付金増やしたいが人手不足」の声も(2023年8月24日号)

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 ふるさと納税市場が拡大している。22年度(22年4月~23年3月)の、全国のふるさと納税の寄付の受入額は、前年度比16.2%増の9654億円となり、寄付件数も16.5%増の5184万件となった。一方で、寄付者の確定申告が不要になるワンストップ特例申請の事務費用なども含めて経費の総額を寄付額の5割以下にしなければならないとする、新たな「5割ルール」が23年10月にスタートする予定となっており、市場を冷やす要因になることが懸念されている。本紙ではこのほど、寄付額が多い自治体に向けてアンケート調査を実施した。調査の結果、アンケートに回答した20自治体のうち、8割に当たる16自治体が、「5割ルールは厳しい」と回答した。「寄付額を増やしたいが、人手が足りない」と感じている自治体が少なからずあることが分かった。寄付額を増やし、地域の活性化を図りたい自治体は、立ちはだかるさまざまな課題に立ち向かおうとしている。

■「大変厳しい」も6割

 本紙がこのほど行ったふるさと納税に関するアンケート調査では、「主要な返礼品」「ふるさと納税の運営の課題」「寄付の多いポータルサイトはどこか」などの質問を設けた。
 21年度の寄付額が1~100位までの自治体にアンケートを送付し、20の自治体から回答を得た。
 アンケートでは10月から始まる新たな「5割ルール」について、「制度の見直しは大変厳しい」「制度の見直しは厳しい」「制度の見直しによる負担はなさそうだ」「分からない」から選んでもらった。
 その結果、「大変厳しい」と回答したのが12件(60.0%)、「厳しい」が4件(20.0%)だった。合計すると、8割の自治体が「厳しい」と感じていることが分かった。
 「大変厳しい」と回答した自治体からは、「単純事務の外部委託を増やして、地域のファン作りに力を入れたかったが、法規制により厳しくなった」(中部地方某市)「経費を削減できるところがほぼなく、返礼品の割合を減らすか、寄付額を上げる対応をとらざるを得ない状況だ」(九州地方某市)といった声が上がった。
 これまでも、寄付金額のうち、返礼品の費用を3割以下とし、返礼品の送料や事務費、ポータルサイトへの広告費・手数料なども含んだ経費の総額を5割以下とするルールはあった。10月からは、ワンストップ特例事務費用や、寄付金の受領証の発行・送付の費用なども含め総経費を寄付金額の5割以下に収めなければならないとする、新たな「5割ルール」がスタートする。
 対応方法としては主に、

(続きは、「日本ネット経済新聞」8月24日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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