【インテリアEC各社】 組織や販路の見直し進む/コロナ後の消費落ち込み受け(2022年11月10日号)

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 家具やソファ、テーブルなどのインテリア用品をEC展開する各社は現在、社内の組織作りや販路などを含めた「見直し」が進んでいる。新型コロナによる「巣ごもり消費」を追い風に、20年、21年と連続して増収となったが、22年以降は特需の反動や消費マインドの低迷などを受け、苦しい状況が続いている。インテリアEC各社は、さまざまな見直しを行いつつ、新たな販路として「越境EC」への動きも出ている。

■レジャーにお金が動く

 直近の2年間は、「巣ごもり消費」による影響もあって、住環境商材の売れ行きがよく、インテリア用品も大きく伸びた。しかし、今年に入ってからは行動制限の解除に伴い、消費者のお金の使い道がモノからコトへと移っている。インテリアEC各社は、旅行やレジャーへの投資が増えたことが、インテリア用品の需要が下がっている要因の一つと分析している。
 コロナ禍で通販やECを利用する機会が増えたことで、ウェブ広告などを使わなくても自然にサイトに訪れる顧客は多かったが、今年からはウェブ広告に取り組まないと訪問者数が伸びない状況になっているという。
 原料高などの影響は、商品価格の値上げだけでなく、新商品が開発しにくい状況にもつながっているようだ。


■売上は減収や前年並み

 インテリアEC各社は、今期売り上げについて前年並みか減少すると予測している。
 インテリアECのカヴァースジャパン(本社東京都、青木康裕社長)は、今期(23年6月期)の売上高が、前年割れすると予測。「巣ごもり需要の反動もある。マイナス的な減収と考えていない」(青木社長)としている。コロナ禍の2年で売り上げが大きく伸長しており、「社内体制に負荷をかけた状態が続いていたため、今年は、社内体制を見直す時期でもある」とした。
 インテリアオフィスワン(本社埼玉県、阿比留亮社長)は、今期の売り上げが前年並みになるとみている。巣ごもり需要の影響でウェブ広告を打たなくても自然にサイトを訪問してくれていたが、今年の春以降からユーザーの動きが止まっているという。「今はコロナ前のように、広告費をかけないといけない状況に戻った」(阿比留社長)と言う。同社の前期売上高は、前の期より6億円増の35億円となっている。
 タンスのゲン(本社福岡県、橋爪福寿社長)も今期売上高が、前年と同水準になると予測している。原料高に伴うコスト高の中で「どのように利益を確保していくかが重要となる」(橋爪裕和常務)。その上で「内部の見直しを図る期間でもあると考えている」と話した。


■コンテンツ強化の動き

 マイナス要因が多い中、コンテンツの強化に取り組む動きも目に付く。

(続きは、「日本ネット経済新聞」11月10日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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