【ヒットの秘密】　本棚がベッドに<「マルチユニット」>　「自分らしさ表現」とＳＮＳで話題に（2025年10月16日号）

　千趣会が運営する通販事業「ベルメゾン」は今年６月、ベッドやベンチとしても使えるユニットを発売した。ユニットに本やマンガを収納することで、自分らしさを表現することができるとＳＮＳを中心に話題になったという。
　本棚ではなく、４タイプのユニットにすることで、収納ボックス、小上がり、ベンチ、ベッドなど、多様な使い方に変化できるのが特徴だ。木目調のプリント紙を使用したことで、ナチュラルで温かみのある雰囲気を演出できる。
　「本を読むのが好きでも、部屋に収納を増やすことは難しく、隠してしまうとすぐに取れなくなってしまう。お気に入りの本をすぐに読めるような自分らしい空間を作れるようなものがあったらいいなという思いをきっかけに開発した。きれいに収納できる見た目と、ベッドとしても使える強度の両立が難しかった」（ベルメゾン事業本部　ベルメゾンビジネスユニット　ホームファッション企画・開発チーム　五十嵐愛氏）と話した。
　ＥＣサイトをメインに販売し、１人暮らしに向けた発信にも注力している。
　「購入の後押しができるよう、実際の使用シーンが分かるような写真にこだわった。『本がずらっと並ぶ美しさ』や『ベッドから手が届く便利さ』について、期待以上の評価をいただき、売り上げの数字以上に、商品コンセプトへの共感度の高さを感じている。社内外の反響を受け、夜の雰囲気が分かる画像も追加で撮影した」（同）と話した。
　今後は「子どもがいる人への絵本収納の提案」「地震対策として高い位置に本棚を置くことに不安を感じる人への提案」など、ライフスタイルに合わせた提案を広げていきたい考えだ。
　「『自分らしいお気に入りの空間づくり』という軸でさらなる展開をしたい。現在は主に読書好きの方から支持されているが、認知拡大やラインアップ展開を進め、より多くの方に価値を届けられると考えている」（同）と話す。
　「ずらっと本が並ぶベッドになるマルチユニット」は税込１万３０００円。四つそろえるとシングルベッドのサイズになる。