微細藻類「ユーグレナ」を原料にした健康食品や化粧品の通販事業を展開するユーグレナはこのほど、若原智広氏と植村弘子氏の2人がCo―CEO(共同最高経営責任者)を務める新執行体制をスタートした。出雲充氏は、引き続き代表取締役社長を務めるが、若原氏と植村氏の2人が共同で職務の執行にあたるという。若原氏は、財務面を見るほか、バイオ燃料事業をメインに統括する。植村氏は、人事や主力のヘルスケア事業などを全般的に細かく管掌していくという。「原点回帰」を事業運営のテーマに掲げる、若原氏と植村氏の2人に、今後のユーグレナが向かう方向性について詳しく聞いた。
■お互いを補完
─2人が共同最高経営責任者を務める新経営体制になった理由は何か。
若原 23年12月期までは、社長の出雲が中長期的経営を担い、取締役代表執行役員CEOの永田が業務を統括する体制だった。
永田が健康上の理由から退任するに当たって、各部門を統括する役員を刷新することとなり、私と植村が共同で会社全体を統括することとなった。
私は、13年にユーグレナに入社して以来、経営企画の仕事をメインに行ってきた。ユーグレナの入社前は、外資系銀行に勤めていた。
ユーグレナ入社以降は、バイオ燃料の実証プラントを建設するためのライセンスの整備や土地探しなどを行った。
ユーグレナではバングラデシュの子どもたちを支援する事業を行っているが、それにも大きく関わってきた。
植村 私は、ユーグレナには23年に入社したばかりだ。それまでは、食品メーカーやホテル予約サイトの運営会社などで人事管理や営業をしてきた。
若原と私で、お互いの強い部分を生かしつつ、弱い部分を補う役目が果たしていけると考えている。
■素材のBtoB提供も強化
─新執行体制でユーグレナが主眼に置いている領域は。
若原 24年の経営の方向性に「原点回帰」を掲げた。原点回帰とは、すなわち研究開発だ。
われわれは「ユーグレナ(和名:ミドリムシ)」を社名にしている通り、ユーグレナを軸にした事業を展開している。
ミドリムシを中心に研究開発を積極的に行い、生み出したものはどんどん社会実装していき、多くの社会課題の解決につなげていく。
植村 例えば、最近では、BtoBでの原料供給を目的とした食品素材として、微細藻類「オーランチオキトリウム」の生産体制の構築、商業生産開始を発表した。「ユーグレナ」は機能性に優れた素材だが、「オーランチオキトリウム」は機能性に加え、味で勝負できる素材だ。
こういった素材の研究開発に力を注ぎたい。
─バイオ燃料事業について進捗を聞きたい。
(続きは、「日本流通産業新聞」4月4日号で)
【ユーグレナ 代表執行役員 Co―CEO 兼 CFiO 若原智広氏 Co―CEO 兼 COO 植村弘子氏】 「原点回帰」をテーマに(2024年4月4日号)
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