【シーボン 堀住輝男商品開発部 執行役員】独自の「ストレスケア」素材でOEM事業強化(2023年6月15日号)

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堀住輝男氏

堀住輝男氏

 化粧品のサロン販売を手掛けるシーボンはこのほど、本紙の取材に対して、化粧品のOEM事業を強化していくことを明らかにした。シーボンのOEMの強みは、サロンで販売する化粧品を製造してきたノウハウがあることとだという。「ストレスケア」のエビデンスがある独自素材と処方を使った製品を提供できる点も、もう一つの強みだとしている。シーボンのOEM事業について、商品開発部の堀住輝男執行役員に聞いた。

■サロン品質の実績

 ─シーボンがOEMサービスを提供するに至った背景は。
 当社ではこれまで、自社のサロンで直販する化粧品を作り続けてきた。化粧水から乳液、クリーム、シャンプー、美容液まで、化粧品全般の製造が可能だ。
 当社では、お客さまに長くサロンに通っていただくために、安全性が高く、刺激の少ない製品を作り続けてきた。「絶対にお客さまを裏切れない」という使命感によって、高品質な化粧品を作り続け、実績を作ってきたのだ。
 これまで当社では、化粧品のOEMは提供してこなかったが、質の高い製品を開発できる技術に、価値を感じてもらえると考えた。
 それが、OEM事業を開始した理由だ。
 ─これまでの提供実績は。
 OEM事業に着手したのは、コロナ前の19年だった。実際に受注したのは、20年になってからだ。これまで、スタートアップと大手2社にOEM供給をしてきた。


■ストレスによる肌荒れを抑制

 ─シーボンのOEMの差別化のポイントは。
 一つは、サロンで提供する、高品質な化粧品を作り続けてきた技術を持っている点だ。
 「ストレスケア」につながる「カラー花酵母抽出液」という独自素材を使った化粧品を開発できる点も強みといえる。
 「カラー花酵母抽出液」は、カラーの花から、数多くの微生物類を採取。厳選した酵母から抽出した素材だ。
 当社では、心理的ストレスと皮膚の関連性について研究してきた。研究では、ストレスに起因したアドレナリンが原因で、かゆみや乾燥といった皮膚症状が起こることが分かった。
 ヒトの表皮の細胞にアドレナリンを添加する実験を行ったところ、かゆみの伝達に関与するNGF遺伝子の発現量が増加したことが分かった。
 表皮の細胞にNGFを添加した際には、天然保湿因子のもととなるフィラグリン遺伝子の発現量が低下することも分かっている。
 つまり、一般的に、今までなんとなく、「ストレスは肌荒れにつながる」というイメージがあったと思うが、その仕組みを科学的に明らかにしたのだ。

(続きは、「日本流通産業新聞」6月15日号で)

「カラー花酵母抽出液」はカラーの花から抽出する

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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