【トップインタビュー】 ショクブン 吉田朋春社長/顧客目線で商品、サービス開発を加速させる(2022年10月13日号)

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

 食品宅配を手掛けるショクブンは今年12月で創業45周年を迎える。21年3月には、コメ卸最大手の神明ホールディングス(HD)の子会社となり、21年6月には神明の取締役だった吉田朋春氏が社長に就任した。今年5月には、サンクック(本社静岡県)と特約店契約を締結。静岡県内でショクブンのメニュー・食材の販売を始めたり、プライベートブランド(PB)の開発、企業とのアライアンスを強化するなど積極的に施策を打ち出している。吉田社長に就任1年目の取り組みと今後の事業戦略について聞いた。

 ─社長就任1年目となる22年3月期の業績は増収増益だった。
 当社は今年12月で設立から45周年を迎える。この間、当社のビジネスモデルが大きく変わらない中で、世の中は共働き世帯の増加や忙しさが増している。
 就任1年目については、業績の回復スピードは満足できるものではないが、お客さまに対する従業員の意識を原点に立ち返らせる必要があると考え、さまざまな手を打ってきた。まずは、お客さまの立場になって考えるということを改めて社内に浸透させてきた。
 例えば、自社配送エリア内でのウェブ注文はできたが、宅配業者が届ける通販(EC)のサービスはなかった。まずは、通常のカタログメニューが注文できるECサイトを21年4月に刷新。プライベートブランド(PB)「旬味百撰」などを販売する自社通販サイトを今年6月に立ち上げたほか、9月27日には、楽天市場にも出店した。
 消費者はとにかく忙しい。ECサイトの立ち上げは必須だった。酒類の販売許可も取得し、ハレの日などに向けた高品質な日本酒やワインの販売を始めている。若い世帯でも贅沢な時間を過ごしたいというニーズに対応した。
 ─23年3月期は「創業元年」と位置付ける。
 創業期の意識で新しい発想と考えを持ち、商品開発を進めている。若い社員を積極的に登用して、ウェブやSNS戦略などを任せるようにしている。いい人材が潜在的にいることが分かり、現場で配送スタッフ「アドバイザー」だった人を本社の開発メンバーとして登用することも始めている。現場でお客さまの声を聞いている人が、お客さまの立場に立った商品開発やサービスを作ることができる。
 本社が指示するのではなく、自ら主体的に動ける組織を目指している。幹部に対しては、任せるからこそ責任があるという意識を持てる、現場が会社全体を盛り上げるようにしている。私が想像した以上にスピード感を持って進んでいる。
 ─「営業開発本部」を新設した狙いは。

(続きは、「日本流通産業新聞」10月13日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ