【グラント・イーワンズ 稲井田章治社長】コンプライアンス強化と組織拡大の両立を(2021年10月14日号)

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 体型補正下着をメイン商材にネットワークビジネス(NB)を展開するグラント・イーワンズ(本社福井県、稲井田章治社長)はこのほど、21年9月期の上代ベースの売上高が、190億円を突破したことを明らかにした。下代換算の売上高は146億円になったという。同社では現在、コンプライアンスの強化に向けた、さまざまな取り組みを行っている。同社の稲井田社長に話を聞いた。

 ─直近の業績について聞きたい。
 稲井田 21年9月期の売上高は、上代ベースで191億3000万円になった。下代ベースでは146億円となった。前期比では69.7%の増収になった計算だ。
 ─コロナ禍において飛躍的な増収となった要因は。
 稲井田 昨年の4月以降、Zoomによるセミナーの配信など、ウェブ上での発信を強化したことが大きい。福井県内にある当社ビル内に、Zoom配信用のスペースを設けており、全国に向けた発信を行っている。今年の8月は、緊急事態宣言中ということもあり、私自身、本社のある福井県から一歩も出なかった。全国に行かない代わりに日々、全国に向けてセミナーの配信を行った。
 ─Zoomのセミナーを効果的にするため、心掛けていることはあるか。
 稲井田 私自身もセミナーを配信する際には、伝えたいメッセージをまとめた手書きのフリップを、事前に用意するなどしている。ホワイトボードにいちいち書いていたのでは、間延びしてしまうからだ。Zoom上でも、効果的な伝え方ができるようになってきている。
 当社では、会員に対して、「グループごとの縦割り」を一切禁止している。あくまで、グラント・イーワンズという一つの土俵の中で、グループに関係なく助け合うというのが基本だ。会員が、別のグループのリーダーのセミナーを聞いても問題ない。そうした意識を、末端の会員まで共有できていることも、Zoomを通したセミナー展開などにおいてはプラスに働いていると考えている。
 緊急事態宣言が解けた10月以降は、リアルでのセミナーも再度本格化している。リアルのセミナーを開催するに当たっては、抗原検査キットを活用するなど、感染予防対策にも、万全を期している。
 ─好業績をけん引した商品はあるか。
 稲井田 まんべんなく販売好調だったが、特に好調だったのは、幹細胞化粧品だった。「ハリトス」というクッションファンデーションの販売も非常に好調だった。当社の主力である下着の売上高は100億円程度だった。
 Zoomなどの新しいツールをうまく活用して、会員らが新商品を含め、商品の情報などを広げてくれたことが、好業績につながった。特に30代の会員らが頑張ってくれたように思う。
 ─NB企業は、社歴が長くなってくると、会員の年齢層が高まりがちだ。30代という比較的若い層の会員が活躍できている要因は。

(続きは、「日本流通産業新聞」10月14日号で)

手書きのフリップを掲げる稲井田社長

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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