【KIZUNA 長船亜由美 副社長執行役員】No.1の通販ワンストップ支援会社目指す

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 商品調達から広告、注文受付、受注処理、物流まで、通販事業のワンストップ支援を行うKIZUNA(本社福岡県、松永高徳社長、(電)092―557―1180)はこのほど、本社屋を約2.9倍の広さに増床、機能を大幅に拡充した。コールセンターの席数を2.5倍に増加したほか、有人チャットセンターも新設。ショールーム=写真=やライブコマーススタジオ=写真=も設けた。社員が利用できる、カフェテリア=写真=を設置するなど、福利厚生の充実も図っている。こうした施策により、24年4月期の売上高を、20年4月期の5倍に当たる50億円まで拡大させたいという。「3年後には九州ナンバーワン、最終的には業界ナンバーワンの通販ワンストップ支援会社になる」をスローガンに掲げる同社の長船亜由美副社長執行役員に、本社機能拡充の狙いなどについて話を聞いた。

 ─本社屋を増床したということですが。
 20年11月24日付で、本社屋を従来比2.9倍の約1344平方メートルに増床しました。従来の本社スペースは、コールセンター専用で使うようにし、コールセンター機能を大幅に拡充。福岡の大橋と久留米にある2カ所のカスタマーセンターも併せて席数を大幅に増やしました。コールセンターの席数は従来比で2・5倍になりました。
 さらに、コロナ禍の中、有人チャットの需要が拡大していることを受け、チャットセンターも新設しました。チャット対応においては、電話対応にも増して「いかに早く、的確に答えるか」が求められます。こうした要望に対応しつつも、「KIZUNA」らしい、お客さまの心に寄り添った接客を行っていきたいと思います。
 一方で、無人チャット対応用のAIの開発も進めています。AI開発においても、「KIZUNAらしさ」を、いかに表現するかに取り組んでおり、「感動創造AI」の開発を目指しています。具体的には、お客さまの言葉尻を捉えるのではなく、お客さまの具体的な悩みを引き出す接客を、AIで実現したいと思っています。チャットセンターを開設し有人チャットのノウハウを蓄積することは、より効果的なAIの早期開発にもつながると期待しています。
 ─カスタマーセンター以外の部分での拡充についても教えてください。
 本社機能拡充に当たっては、多様な販売チャネルを支援する機能を強化しました。例えば、海外販売も見据え、ライブコマーススタジオを設置しました。ライブコマースは今後、国内外で急速な市場拡大が期待されます。現在すでに、一部でライブコマーススタジオの試験的運用を始めており、さらに今後活用を拡大させていく計画です。
 本社内には、フィットネス関連の実演販売を見据えたトレーニングスタジオも設置しました。取引先企業の商品を紹介しつつ販売するアンテナショップも、本社内に併設しています。本社屋の1階には、EC関連商品を展示するショールームも設けています。
 一方で、社員の福利厚生施設の拡充も図りました。通販は「人のビジネス」です。優秀な人材に、長く、気持ちよく働いてもらうことは、クライアント様の利益にも直結します。社員やその家族が休日に利用できるカフェテリアを本社内に新設しました。社員が、取引先様や同僚社員を招いて、コミュニケーションの場として利用できるバーカウンターも設けています。
 プレゼンや異業種交流会、セミナーなどを開催できるスペースには、特大モニターも設置しています。
 ─本社機能拡充の目的は。
 当社ではスローガンとして、「まず、3年後に九州ナンバーワンの通販ワンストップ支援会社になる」ことを掲げています。このスローガンの下、これからの5年で激変するEC業界で勝ち残るための成長基盤に投資し、業績の大幅な拡大を目指すのが目的です。
 当社の通販支援サービスのクオリティーの高さは、これまでも多くの通販会社様に高く評価されてきました。こうした通販支援サービスを、質だけでなく量の面でも大幅に拡充し、成長戦略の基盤づくりを行うことにより、20年4月期に10億円だった売上高を、24年4月期には、5倍の50億円まで拡大させたいと考えています。5~6年後には年商250億円を目指す考えも持っています。
 KIZUNAでは今後、大きな飛躍に向けて、さまざまなチャレンジに取り組んでいきます。成長の中でも「KIZUNAらしさ」を失うことなく、より多くの通販企業様に、サービスを喜んで利用していただけるようにしていきたいです。

ショールーム

ライブコマーススタジオの様子

カフェテリアの様子

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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