【〈訪販〉トップインタビュー】 ロイヤル化粧品 桃園忠会長/本社にスタジオ開設、DX推進

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

 ロイヤル化粧品(本社東京都、桃園忠会長)は昨年、新型コロナウイルスの感染拡大により会社として初めて、代理店を集めて開催してきた月例会議が中止になるなど影響を受けた。しかし、そんな環境下でもオンラインを活用することで成果を上げてきた。DX推進として東京・六本木の本社内にスタジオを新設。オンライン配信の拠点にする計画だ。桃園会長にコロナ禍でのビジネスについて聞いた。(インタビューは20年12月8日に実施)

 ─20年4―9月期(第2四半期)の業績はどのように推移したのか。
 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けたので、昨年同期と比べると売り上げは10%程度下がったと思う。だが、この程度ならばよしとしなければならない。サロンを持っている代理店はお客さまも来店しにくい状態だったので、代理店は臨機応変にビジネスの方法を切り替えて、顧客からの電話注文を受けてお届けすることをメインにしてきた。
 ─コロナ禍を受けて素早くオンライン活用を進めてきた。
 これまでは月初に代理店を集めた月例会議をホテルで開催してきたのだが、これをオンラインに切り替えた。私自身も月例会議だけでなく、リーダーとはオンラインでミーティングを重ねてきた。あとは社員がブロック別に代理店会議を行ってきた。10月からはリーダーを集めた会合をリアルで再開している。
 オンラインは対面に比べればインパクトに欠けるけれども、どんな遠隔地に住んでいる人でも参加できるという利点がある。距離的・時間的な制約も少ないので、以前よりも参加率は上がった。会議に初めて参加する人もいたくらいで、オンラインに積極的に取り組んできたことが功を奏し、立ち止まることなく前進できた。
 ─新規会員の獲得状況はどうか。
 20年は、新規会員を増やすことで組織の分母を大きくし、新規入会した人を育成していくことを目標としてきた。当社は商品ありきの会社。当社には「利他の心」という創業以来変わらない理念がある。相手のことを思いやり、自分が得た喜びや感動を伝える。自分が体感したことを真心で伝えるだけなので誰にでもできる。これを徹底することでロイヤルは広がっていく。商品を代理店に卸すことに目を向けると、マネーゲーム的な要素が強くなる。新規会員を増やしてボトムアップすることに注力しようとしてきた。この方針は21年でも継続していきたい。
 ─DX推進に力を注いできたと聞く。
 市場環境のデジタル化に対応するため、DX推進の一環として本社ビルの中にスタジオを新設した。スタジオで収録したコンテンツをオンライン配信していく計画だ。機材はテレビ局とそん色ないもので、制作スタッフは外部のプロに依頼する。番組表を作成して、美容・健康関連情報やコンテストなど、代理店に喜んでいただける内容にしていきたい。
 ─21年の製品戦略について。
 21年はスキンケアの新製品を出す予定はない。ただ20年11月にローション、12月はクリームと、新成分を配合した製品を出した。毎年のサンクスキャンペーンでプレゼント用のものだ。特にクリームは好評で、工場をフル稼働させて対応している。
 サプリメントは新製品となるプロテインを21年前半に発売する。市場に出回っているプロテインを取り寄せて調べたが、良い製品は見当たらなかった。発売するのはダイエットをサポートするプロテインだ。非常に良い成分を配合した自信作。おいしい製品に仕上げたこともポイントの一つだろう。美味しくなければいくら健康に良いといっても続かないと思う。非常に手応えを感じているので大いに期待できる新製品だ。
 ─21年に掲げているテーマは。
 今年のグランドテーマは、もう一度「よろこびをあなたへ」。きれいになる喜び、元気になる喜び、夢を見、夢をかなえる喜びだ。人から人へ”喜心”の輪と和が広がって感動サイクルとして回り続けていきたい。

DX推進として東京・六本木の本社内に新設したスタジオ

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ