【CREAVEL 吉田光良社長】 〈組織発足以来、急成長続く〉常識を破壊し、理想の企業つくる

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 健康食品や化粧品のネットワークビジネス(NB)を展開するCREAVEL(クレアヴェル、本社大阪府、吉田光良社長)は、15年10月の組織発足以来、急成長を遂げている。今年9月1日には主力2製品のリニューアルを予定。年内にはさらに1製品の発売も検討しているという。今後のさらなる成長加速が期待できそうだ。実は吉田社長、同社を立ち上げるまでは、「NBが大嫌いだった」と言う。「常識の破壊」を志向し同社を立ち上げたという吉田社長に、起業の経緯から、コロナ後に向けた戦略までを聞いた。

 ─吉田社長はNBが好きではなかったと聞くが。
 「好きではない」どころの騒ぎではない。私にとって「NB」は、「ピンク色のかまぼこ」「キャバクラ嬢」と並んで、「大嫌いなもの」の一つだった。
 ─なぜそこまで嫌うのか。
 私自身が見聞きしてきた、いくつかのNB企業のイメージがそうさせるのだろう。私はこれまで、さまざまな職種を経験してきたし、優秀な経営者や、新進気鋭の起業家らとも交流を結んできた。そんな中で、NB企業を、内や外から見る機会もあったが、知れば知るほど、残念な気持ちになることが多かった。商品を売るのがうまいNB企業はいくつもあったが、「ものづくり」に本当の意味で力を注いでいる企業は少なかった。「商品なんて何でもいい」とマネーゲームに走る企業が多かった印象だ。「健康」「美容」を売りにしているにもかかわらず、携わる人自身が健康・美容を実感できていないというケースも少なからずあった。
 また、「NBは人が資本のビジネス」などと言いながら、驚くほど会員を粗末に扱う企業があることも見てきた。「お金儲けのビジネス」のはずが、不良在庫ばかり持たされて借金に泣く人もいた。中堅のNB組織のトップリーダーを何十年と務めてきたという人に持ち金を聞くと、驚くほど少ないという事例もあった。
 ─そんなに「大嫌い」なNBをどうして立ち上げようと思ったのか。
 常識を覆したくなったからだ。私が、NBにも増してさらに「大嫌い」なのが、「○○だからできない」という、誰かが勝手に決めた?常識?だった。「学歴がないからできない」「人脈がないからできない」「お金がないからできない」など、人はとかく、つまらない?常識?に縛られがちだ。そんな?常識?を目にすると、それを覆したいという思いがふつふつと込み上げてくる。「NBだから理想の会社は作れない」という?常識?があるのならば、かかわる人を幸せにする「理想のNB」を作って、それを覆してやろうと考えた。
 ─「理想のNB」をどのように作るのか。
 私自身、「人の縁」「人の可能性」を誰よりも信じているという自負がある。人の育成に心血を注ぎ、「人の再生」を実現する会社にしたい。
 商品開発の面でも、どこかの会社の製品のラベルを変えただけの商品には、全く興味がない。配合する成分のすべてを調べ上げ、必要ならば、原料会社ともコミュニケーションをとりながら、最良の商品を作り上げる。1~2年で消えてしまうような、単なるはやりの商品は作りたくない。
 システムづくりも同様、徹底してこだわりぬき、バイナリーとユニレベルのハイブリッドプランにしている。当社の会員には、いわゆるネットワーカーはおらず、そういう人たちに集まってきてほしいとも思わない。そのため、一部の人だけが極端に儲かるプランではなく、多くの人が、50万~100万円程度の収入を目指せるプランにしている。
 ─コロナを機にビジネスの環境が大きく変わってきているが、その中での施策は。
 コロナの影響は今のところほとんどないが、取り巻く環境が変わってきているのは間違いない。当社の戦略を一度見直すべきだとも考えている。具体的には、来年以降の飛躍に向けて、土台固めを進めている。
 その一つとして、商品のバージョンアップを行う。当社の主力製品は、プラセンタなどを配合したサプリメント「プラヴィアス」(会員価格税別1万2000円)と、プラセンタやクロノゲンを配合した美容液「リアージュ」(同)だ。この2製品を9月1日付でリニューアルする。
 ─どのようにリニューアルするのか。
 両製品とも、「発酵熟成プラセンタ」と、馬由来の「羊膜エキス」を新配合する。どちらも画期的な新成分だ。グロースファクター(成長因子)が注目を集めているが、発酵熟成プラセンタと羊膜エキスはグロースファクターを豊富に含む。有効性・安全性に優れており、プラセンタのネクストステージといえる商品に仕上がっている。両製品のリニューアルに当たっても、原料会社などと綿密にコミュニケーションを取りながら、試作を何回も繰り返し、ベストを追求した。メーカー希望小売価格は2万円(税別)としているため、小売りでの展開も行える。
 さらに、当社の三つ目の商品として、年内に美容クリームを発売することも検討している。
 ─そのほかの施策展開について聞きたい。
 マーケティングの側面では、当社自体のブランディングの強化を進めている。予防医療の専門的知見を持つ医学博士や、行政における元高官らとの対談などもすでに実施した。当社のマーケティングは一部上場企業のメディカルマーケティング部門が担当している。「普通のNB企業」ではできない、当社ならではの企業ブランディングを、今後も積極的に行っていきたいと思っている。
 ─今後の目標は。
 私自身の個人的な利益追求には興味がない。私自身、投資に関する訓練はこれまでの人生の中で十分に積んできており、儲けたいだけならば、財産を株式などに投資した方がはるかに儲かる。そのため、安直なビジネスで、いたずらに会社の規模を大きくすることにはまったく意味がないと考えている。
 当社は、「かかわる人を幸せにする」という、壮大な実験に取り組んでいる企業だ。「かかわる人の幸せ」を愚直に追求する、こんなおかしなNB会社があれば、7000億円のNB市場の内1%くらいは、すぐにとれるのではないか、とも思っている。
 明治時代と現代を比べたとき、明治時代の人々は圧倒的に貧乏で、寿命も短かった。豊かになり寿命も延びた現代における人々の幸せを実現するため、企業が追求するべきは、「楽」だと考えている。会員をはじめとした人々に、さまざまな意味で「楽」を提供できる企業であり続けたいと考えている。

リニューアルするプラセンタやナノコラーゲンを配合した美容液「リアージュ」

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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